診療放射線室

診療放射線室

放射線検査室のご案内

【ごあいさつ】

 診療放射線室では患者様の立場に立って安全で質の高い検査を受けていただくため、最新の知識・技術の習得はもちろんのこと、機器の性能維持や放射線の安全管理に努めています。各検査でご不明な点がありましたらお気軽にご相談ください。

【診療放射線室の理念】

患者様の立場に立ち高度な医療を安全にご提供し、検査を迅速かつ正確に行っております。

【2023年度年間目標】

  • 他部署との連携を図り安全安心な医療提供に努める

【スタッフ】

診療放射線技師   9名(男性7名、女性2名)
検査受付      2名

【他に取得している認定資格と人数】

 ・第1種放射線取扱主任者   2名
 ・第1種作業環境測定士    1名
 ・保健衛生学士        3名
 ・情報処理技術者       1名
 ・マンモグラフィ撮影認定技師 1名
 ・放射線機器管理士      4名
 ・放射線管理士        5名
 ・医用画像情報精度管理士   6名
 ・臨床実習指導教員      2名

 

【使用機器】

 ・一般胸腹部撮影装置    2台
 ・X線透視装置(FPD 2) 3台
 ・乳腺撮影装置
 ・80列X線マルチスライスCT 2台
 ・血管撮影装置(循環器)
 ・RI(ガンマカメラ)装置
 ・MRI(1.5テスラ)装置
 ・回診用ポータブル装置   3台
 ・術中外科イメージ装置

放射線検査室の案内図(2階)

受付 放射線室受付
1番 透視・造影検査室
2番 透視・造影検査室
3番 透視・造影検査室
乳房室 乳房撮影室
6番 心臓カテーテル検査室
7番 胸腹部骨撮影室
8番 CT検査室
9番 核医学(RI)検査室
10番 CT検査室
11番 MRI検査室
受付 CT・RI・MRI受付
受付 放射線科受付

【胸腹部骨一般撮影(FPD)】

 X線を用いて、頭部、胸部、腹部、四肢など様々な場所を撮影できます。X線が人体を透過して影をつくる様子を画像にします。この画像が画像診断の基本的な部分となります。
 最近では、フラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector:FPD)を用いて、体を透過したX線(エックス線)をデジタル信号に素早く変換し、レントゲン画像を得る装置により、従来の装置(CRシステム)と比べて、より高精細な画像を得ることができるようになりました。

FPDの特徴
・被ばくの低減が可能!

FPDは従来の装置と比べX線の感度が高いため、より少ないX線量での検査が可能になりました。

・撮影時間の短縮 ⇒待ち時間の短縮!

従来の装置では、撮影後に画像が表示されるまで、30秒程度かかっていました。FPDでは数秒で画像が表示され確認することができます。これにより、検査効率が向上し、患者さんの検査待ち時間短縮が可能になりました。

・高精細な画像でより正確な診断!

FPDの性能と最新の画像処理技術により、高画質でノイズの少ない鮮明な画像を得ることができます。これにより、さらに正確な診断に必要な画像を提供することができるようになりました。

・ポータブル撮影の画像表示がかなり速い!

導入前は、病棟で撮影したCRデータを2Fまで持ち帰り、CR読み取り装置で読み込ませ、サーバーへ転送し画像表示させていました。現在は、FPDの情報をポータブル専用ノートパソコンが受け取り、病棟で院内ネットワークを使いサーバーへ転送しています。病棟から2Fまでの移動時間をカットできるため、画像表示までの時間が従来よりかなり速くなりました。

※この段落は削除しなくてもホームページには反映されません。

 

【~ 更衣について ~】

 撮影部位によっては、ボタン・ネックレスなど写真に写り、診断に支障をきたすおそれ(重なってしまい病変がわからない、病変とまぎらわしいなど)のある場合、服を脱いでもらったり、湿布、エレキバン等をはずしてもらったりいたします。

【乳房撮影(マンモグラフィ)】

 マンモグラフィとは乳がんを診断する方法の一つで、乳房専用のレントゲン撮影です。乳房はやわらかい組織でできているため、専用の装置を用います。触ってもわからないような早期の小さながんはもちろん、しこりを作らない乳がんを白い影や、非常に細かい石灰砂の影として見つけることができます。
撮影は、乳房を挟みながら圧迫して、上下方向から1枚、斜位方向から1枚ずつ計4枚撮影しますので、検査時間は約10分かかります。挟むことによる痛みには個人差がありますので、できる範囲で行います。これは乳房の内部をよりみやすくする為となるべく被曝線量を減らす為など理由があってのことなので、ご協力をお願いします。

 

【核医学(RI)検査】

 この検査は放射性同位元素を含んでいる放射性医薬品を使用する検査です。
放射性同位元素はラジオアイソトープともいいます。
ラジオアイソトープとは自ら放射線を出す物質で、その放射線の量は時間と共に減っていきます。
病院によってラジオアイソトープ(Radio Isotope)検査と呼んだり、その頭文字をとってRI検査と呼ばれています。

【検査の内容】

 X(エックス)線撮影ではX線が身体を透過してフィルムに写し出されます。
RI検査ではγ(ガンマ)線という放射線を放出する放射性同位元素を含んでいる薬を投与します。
特定の臓器や病変を見つけるために目的とする検査ごとに検査薬が用意されています。
それが臓器や病変部に取り込まれた薬から放出される微量のガンマ線を体外の専用カメラ(ガンマカメラ)で検出し、これらのデータをコンピュータで処理してフィルムに写し出されます。

【検査の流れ】

(1)撮影の前に検査薬を投与します。
 ⇒検査によっては前処置が必要な場合もあります。 
(2)検査薬が目的部位に達するまでの時間が異なるため、検査開始時間までに待ち時間が生じる場
 合があります。
 ⇒検査によっては薬の投与直後・数分後・数時間後・または数日後に撮影します。   
(3)検査機器のベッドで仰向けになります。
 ⇒ほとんどの検査はベッドの上で寝ているだけで済み、とても楽な検査です。
  検査によって数分で終わるものや、数十分かかるものがあります。
  また時間ごとに数回撮影する検査もあります。

【次のような方は予めお知らせください。】

◇妊娠中、または妊娠してる可能性がある女性。 
◇授乳中の女性。(数日間赤ちゃんに母乳を与えるのを避けたほうがよい場合があります) 
◇乳幼児がいる女性。(赤ちゃんを抱くのも半日程度は避けたほうがよい場合もあります)

【最後に】

◎薬による副作用の心配はありません。 
◎薬から出る放射線(ガンマ)線は極微量でその放射線は時間と共に少なくなります。 
◎それらは尿や便として体外に排出されますので、身体への影響についても心配ありません。 
★わからないことや不安なことがありましたら担当の医師、技師、看護師におたずねください。

【消化管透視撮影(DR)】

透視装置で撮影された画像データはすべてデジタル保管され、ネットワークPCで見ることができます。また過去の画像と比べてみたり、白黒反転やフィルターをかけたりして読影医師の好みに応じ画像表示することができます。
平成22年3月にCアーム搭載オールデジタルX線テレビ(フラットパネル)に更新しました。

【心臓カテーテル検査】

 人間の生命活動を血液の循環を通じて支える心臓、そして血管。それだけに、心臓病は深刻な問題になります。現在では動脈硬化疾患である心疾患と脳血管障害が日本の死因の第2位、3位を占めています。
 当院では、増加し続ける循環器疾患の治療部門において、医師、看護師、臨床検査技師、放射線技師が24時間体制で待機し、昼夜を問わず、対応しています。
心臓カテーテル検査は、大腿動脈もしくは肘動脈より血管造影用カテーテルを挿入し、冠動脈を撮影する事を目的としています。
造影の結果、狭窄部位が発見されれば、冠動脈血管内エコー(IVUS)検査により、その部位の治療の必要性を判断し、経皮的冠動脈形成術(PTCA)、冠動脈内ステント留置術 、至適インターベンション法の選択を行っています。バイパス治療(冠動脈血行再建術)においては鹿児島大学に依頼しています。
 また、画像診断、カテーテル治療の質の向上さらには、被曝量低減を実現するため、2004年6月より、世界初の直接変換型フラットパネルシステム「DEGITEX Safire」を導入しました。鮮明な冠動脈の視認性を確保し、より正確な治療ができるよう万全の体制を整えています。

【*世界初の直接変換型フラットパネルシステム「DEGITEX Safire」のすぐれた性能】

  1. 直接変換方式フラットパネルディテクター(FPD)により微細な血管まで描出する超高画質を実現
  2. フラットパネルディテクター(FPD)の高感度特性と低線量システムにより被曝線量をトータルで低減
  3. RSMフィルタにより低線量領域での微細血管等の視認性がさらに向上

【C T 検 査】

CTは、Computed Tomographyの略称で、日本語でコンピュタ-断層撮影です。
一般のX線検査と同じX線を人体に照射して行います。
そこから体内を透過したX線量をコンピューターでデータ処理することにより人体を輪切り表示にした画像が得られます。
そのため一般のX線検査ではわからないような微細な体内の情報を得ることができます。
患者さんは写真にあるベットに寝ていただいて、その周りをX線管球がグルグルとまわる仕組みになっています。 
そしてベットを動かすことにより、目的の部位だけを検査することができます。
検査時間は検査の部位や検査内容によっても異なりますが、およそ15分~20分程度で終ります。
CT検査には【単純CT検査】と【造影CT検査】という大きく分けて2種類の検査法があります。

  • 単純CT検査:造影剤という薬を使わないで撮影するCT検査のことを指します。
  • 造影CT検査:造影剤という薬を静脈に注射して撮影する検査を指します。

 当病院には現在X線CT装置が2台あり,共に高速ラセンCTを搭載しています。

 

3D画像構築について

 

 診療放射線技師の業務の一つとして、診療支援、手術支援となる3D画像構築があります。

 手術室で画像を表示し、手術のイメージを掴みやすくします。より安全に、より迅速に手術が行えると考えます。また、心臓カテーテル前の治療シミュレーションにも役立ちます。
 3D画像処理ワークステーションでは、CTのスライス画像を使用して、心臓、肝臓、骨などの3D画像を作成します。
 まず、CTにて、通常の造影CT検査を行い、その画像を0.5~1mm間隔の薄いスライス厚(元画像)で再構成します。元画像は、約500~2000枚程度になります。この元画像から、目的の臓器の3D画像を画像処理ワークステーションにて作成します。
 3D画像の作成は、心臓の3D画像・解析処理で、約1時間~1時間半、体幹部の3D画像構築で、約2時間、肝臓の3D画像構築・手術シミュレーション処理で、約5時間程度かかります。
 肝臓の場合、切除範囲を決定するため、外科医の指示を仰ぎ、慎重かつ丁寧な作業により解析を行うため、完成までかなりの時間がかかります。我慢と忍耐の作業となります。
 また、肝臓、心臓に関しては、他のモダリティ(CTとRI、MRIとRI)の画像を使用し、フュージョン(重ね合わせ)画像を作成する事ができます。
CT、MRIの解剖学的位置にRIの機能画像を重ね合わせる事で、手術における切除範囲、治療部位などを評価・診断しやすくします。
 このように、3D画像処理ワークステーションを使用する事で、術者により詳しい解剖と画像情報を提供し、治療・手術の支援が出来るよう日々研鑽していきたいと考えます。

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【MRI検査】

 MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)検査はレントゲン検査でわかりづらい神経や靭帯、臓器、組織等を明瞭に観察可能で、血管撮影も造影剤を使わずに描出可能です。さらに同じ場所を色々な方法であらゆる角度から撮影するため情報量が多く、精密検査に適していますが、検査時間の延長や撮影範囲の制限が出ることがあります。磁石と電波を利用して撮影するため放射線被ばくはありませんが、体への影響は全くないとは言えていないのが実状です。

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【当院装置のおもな特徴】

 2003年(平成15年)7月MRI装置を導入して以来、進歩する医療に対応できるようグレードアップや装置更新を実施し、現在は2019年1月より新規稼働開始したオランダのフィリップス社製インジニア1.5テスラ装置を使用しております。この装置の特徴はフルデジタルにより、高速化、高画質化を実現しあらゆる部位に対しての撮影を可能としていることです。正確で良質な検査を安心して提供できるようソフト、ハード共に充実を図り、検査を受けられる方の立場に立って最適な検査を受けて頂けるよう努力しております。

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【検査の実際】

 待ち時間低減や食事制限をお願いることがあるため予約制となっております。頭部、腹部、骨盤部、脊椎、四肢、血管等全身のあらゆる部位の検査が可能で、目的や検査部位に合わせて最良の撮影法にて検査を実施しております。検査時間は撮影部位や範囲により異なりますが、30~50分程度です。またより詳細な情報を得るために、腎臓の状態を確認後、同意の上で造影剤を使用させていただくこともあります。

【検査を受けられない方】

強力な磁石を使うため、体内に例えば以下の様な磁性体のある方は検査できません。
・ペースメーカー、人工内耳等の電子機器
・MRI検査非対応のクリップやステント等
・広範囲な刺青やタトゥー(染料として鉄粉を使用していることがあるため)
※極度の閉所恐怖症の方は検査を躊躇されることもありますが、検査時間短縮や音の軽減、さらに音楽、送風、照明等リラックスして検査を受けられるようスタッフも配慮致します。

 

 

【検査で受ける放射線・自然の放射線】

 放射線が発見され、医療に利用されるようになる前のむかしから、私達は宇宙や大地・食物・空気中など自然界から色々なかたたちで自然放射線(1年間に平均2.4ミリシーベルト)を受けています。その一例と、国際原子力機関(IAEA)ガイダンスレベル、日本放射線技師会医療被曝低減目標値、当院での胸・腹の撮影での線量の値を示します。ガイダンスレベルとは、1回照射あたりの被曝線量がこの値を超えないようにしようという目安であり、この値を越えたからといって、放射線の影響がすぐにでるものではありません。
 自然放射線と比較した場合、1回あたりのX線胸部検査の量は、いかにすくないかがおわかいただけると思います。当院での胸部X線検査1回での表面線量は、NDD表面線量簡易計算式を用いると約0.12ミリグレイとなっており医療被曝低減目標値と比較してもじゅうぶん低い値となっております。

【入射表面線量(ミリグレイ)】

  当院での表面線量 日放技師会ガイドライン IAEAガイダンスレベル
胸部正面 0.12 0.3 0.4
腹部正面 0.8 3.0 10.0

 このように放射線は医療の中で有効に活用されておりますが、取り扱い方によっては放射線障害という危険な面や遺伝にも大きな影響力をもっており、安全管理について法律で厳しく規制されています。
 私たち診療放射線技師は、常に最新の知識が駆使できるよう生涯研修に努め、放射線と医用画像のプロフェッショナルとして責任を持ち、目的に合ったより良い医療画像の提供を心がけています。 
 また、医療用放射線被ばくの減少・最適化にも努力しています。検査や放射線に関するご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせください。


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