| 緑陰随筆特集 私の歌との関わりあい −その後− |
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http://www.city.kagoshima.med.or.jp/ihou/ 558/558-3-8.htm 歌の話に入る前に,まず本業に関するご報告をいたします。2010年4月28日,第99回日本病理学会総会(東京)において,宿題報告講演「ムチン:ヒト癌における臨床病理学的意義と遺伝子発現機構の解明から腫瘍悪性度早期診断システムの構築まで」を行い,高い評価を得ることができ,病理学会で最も名誉ある「日本病理学賞」を受賞し,その内容を,昨年末には「Mucins in human neoplasms: Clinical pathology, gene expression and diagnostic application」という20頁にわたる英文総説として出版でき,私の30年間にわたる「ムチン研究」に関するライフワークの一区切りができました(写真1)(下記URL)。 http://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~byouri2/ path/path.html 最近,日立技術情報サービスからの情報で「各種がんマーカー論文数の著者世界ランキング6位(日本人トップ)に米澤 傑」という嬉しいビッグニュースも飛び込んで来ました。 なお,4月28日の宿題報告講演後,すぐに京都に移動し,翌日4月29日には,京都会館開館50周年記念「第九」(指揮:井上道義・京都市交響楽団)でテノールのソリストをするという綱渡りをいたしました。 2008年の随筆で紹介いたしました鹿児島でのリサイタルはおかげさまで大好評のうちに終了することができ,その年には,名古屋音楽大学公開講座や,平成20年度徳島県民文化祭(秋山和慶指揮,徳島文理大学内むらさきホール),「F. メンデルスゾーン:最初のワルプルギスの夜」(G. ボッセ指揮,オーチャードホール),熊本・大阪・長崎の「第九」のソリスト,翌年の2009年にはNHK「ラジオ深夜便」の“ないとエッセー”への出演,2010年には,京都会館開館50周年記念「第九」(指揮:井上道義・京都市交響楽団)やオーケストラ・アンサンブル金沢の「第九」(指揮:井上道義・大阪ザ・シンフォニーホール)でのソリスト出演等をはじめ,全国各地でのコンサートで歌う機会をいただきました。2011年には,NHK「ラジオ深夜便」“新春・クラシックを楽しむ”の「天は二物を与える」で大きな話題となり,大阪「中之島国際音楽祭 2011」の「3大テノール」でも絶賛されました。 NHK「ラジオ深夜便」の反響は絶大で,2009年6月15日〜18日の連続4夜にわたっての“ないとエッセー”のコーナーで,私のおしゃべりと,CD「誰も寝てはならぬ/米澤 傑テノール・オペラアリア集(G. ステーファノ指揮・ソフィア国立歌劇場管弦楽団)から,毎回1曲ずつ放送されましたところ,その7月には,当時国際ピアノコンクールで優勝し大きな話題になっていたピアニスト・辻井伸行氏のCDを抜いて,私のCDが,タワーレコード J-CLASSICAL ウイークリーチャートで第1位を獲得(04年10月にリリースされて以来,計4回第1位に輝くことになりました)(写真2),鹿児島「十字屋CROSS」CD週刊ランキングの「洋楽アルバム」部門でも,当時,急逝で話題になっていたマイケルジャクソンのCDを抜いて第1位となり,自分でもビックリいたしました。 その後,この私のCDは,You Tube検索:「YouTube 米澤 傑」(下記URL) http://www.youtube.com/watch?v=N_KVp3g-1uo でも一部がお聴きいただけるようになり,そのCDと,私がカラフ王子を演じて絶賛されましたオペラ「トゥーランドット」(ベリオ版・日本初演,全3幕,総監督:畑中良輔,指揮:若杉 弘,演出:栗山昌良)のDVDは,鹿児島では「十字屋CROSS」で販売されていますが,インターネット検索:「楽天市場米澤 傑」でもご購入いただけるようになっています。 今年に入りましてからは,4月26日〜28日に東京で開かれました第101回日本病理学会総会が終了した翌日,4月29日に横浜みなとみらい大ホールで開催されました「日本病理医フィルハーモニー第1回演奏会」で歌いました。1,860人で満席の会場に(2,000人収容のホールですが,歌があるので,舞台の後方席は使いませんでした),1,843人という大ホールを埋め尽くすお客様にご来場いただき成功裡に無事終了いたしております(写真3)(下記URL)。 http://info.fujita-hu.ac.jp/pathology1/JPP/concert_1.pdf
私の「誰も寝てはならぬ」,「妙なる調和」,「オーソレミオ」,家内との二重唱「メリーウイドウ・ワルツ」,「乾杯の歌」のすべてに,会場全体からわき上がり押し寄せてくるような拍手とブラボー,アンコールという凄い反応をいただき,舞台から袖に引っ込んでも鳴り止まない拍手とブラボーで,何度もカーテンコールで舞台に登場させていただくという貴重な体験ができました。 横浜みなとみらい大ホールを埋め尽くすお客様にお越しいただけましたのには,4月17日のNHKラジオ深夜便(“明日へのことば”の「医学と音楽も私の喜び」という45分枠の番組で,まず,私のCDから「オーソレミオ」が流れ,私へのインタビューとなり,最後に私のCDから「誰も寝てはならぬ」が流れるという綺麗に編集された放送でした)の反響も大きかったであろうと思われます。 コンサート後の,私のCDやDVDの販売・サイン会場でも,ほとんどの方が「ラジオ深夜便で知りました」とおっしゃってくださり,ラジオ深夜便の反響の大きさにビックリしました。売れ残るだろうけれども,余分めにと,CD85枚とDVD30枚を準備していたのですが,アッという間に売り切れてしまいまして,お買い求めいただけず,残念がっていらした方々には,急遽,私の名刺にサインをして「楽天市場 米澤 傑」とインターネット検索をしてご購入くださるようにお願いいたしました次第です。CDショップからも,インターネット検索での注文が多くて,CDの在庫がなくなったとのことで,急遽,追加納入をいたしました。 そのコンサートにお越しくださっていました高名な音楽プロデューサーより,「日本病理医フィルハーモニー第1回演奏会」へのご感想のメールをいただきましたので,個人情報の部分はカットして,その概要をご報告申し上げます。 **************************************** 米澤 傑先生・悦子様 昨晩は素晴らしい音楽体験を満喫させていただきました。ありがとうございます。 先生方のオーケストラ,カルメンが鳴り出した途端に,「これは素敵な音楽会になりそうだ」と期待がふくらみました。失礼な話ですが,想像以上に巧かったからです。しかも音楽的内容が豊かでした。 (中略) ラジオ深夜便,特に午前4時台の影響力は凄いものです。私の出演している午前1時台でも,最近では300万人くらいの聴取者がいるようで,どこかの会に出るたびに,「聴いているよ」という人が何人か現われます。 それにしても,昨晩の米澤先生の歌は絶品でした。天与の資質に磨きがかかって,歌が完全にご自分のものになっていました。曲の内容をつかみ取っているという自信が,歌唱表現の自発性になっているのですね。最近の音楽家の自発性の欠如には目を覆いたくなる想いがしているのですが,本当に「凄い!」と感動しました。掛け値なしに脱帽ものです。 奥様がプロの音楽家とは存じ上げませんでした。ピアニストがソプラノに変身し,ご夫妻でデュエットを歌うとは,これはもう特筆ものですね。羨ましき限りです。くれぐれもよろしくお伝えください。お見事でした。 (中略) 次はサントリーホールのモーツァルトですね。楽しみにお待ち申し上げております。どうかお元気で! ****************************************
http://www.aarjapan.gr.jp/join/event/2012/ 0913_919.html 昨年の秋,大阪の中之島国際音楽祭で,名古屋のテノール,大阪のテノールと,私とで「3大テノール」をしましたが,大阪から一番遠くにいて,一番年寄りの私だけに,今年も歌うようにとの依頼があり,10月7日の同国際音楽祭で「米澤 傑 テノールリサイタル」をするようにとのお話がありました。 上記のコンサートを含めて,学会のバンケットでのミニコンサートも勘定にいれますと,8月26日大阪・河内長野市のラブリーホールでのコンサートに始まり(下記URL), http://lovelyhall.com/event/2012/120826 _support/120826_index.html 8月27日京都(学会),9月1日徳島,9月13日東京,9月14日鹿児島(学会),9月28日鹿児島,10月5日京都(学会),10月7日大阪,10月20日鹿児島(医師国保関連),10月24日横浜(学会)と,2ヵ月間に10回ものコンサートが入ってしまいました。もう少し分散されればありがたいのですが,なんだかいつも混み合ってしまいます。 その間にも,10月4日には京都国際会議場で開催される国際膵癌シンポジウムで,高名な膵癌研究者のお名前を冠した「Daniel S. Longnecker Lecture」という特別講演を依頼されています。先般6月末から7月初めにかけましては,ドイツのウルムでの「第18回チャールズハイデルバーガー国際がん研究シンポジウム」にも招待され,講演をいたしましたし,来年の平成25年2月には鹿児島で同シンポジウムを開催しますので,なお日程が窮屈になっていますが,なんとか乗り切りたいと念じております。 鹿児島では,昨年の6月に家内とのジョイントリサイタルでオペラ・アリアを中心としたクラシックコンサートをいたしまして,おかげさまで大好評であり,今年も是非というご希望を沢山いただき,今度は9月28日19時開演で,かごしま県民交流センターにて「ミュージカル・映画音楽・カンツォーネ」という趣向を変えたプログラムで,「米澤 傑・悦子デュオコンサート」を開催することになりました(写真5)(下記URL)。 http://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~byouri2/ staff/yonezawa/img/flyer1.pdf ところで,4月17日のラジオ深夜便をお聴きであった県外の沢山の方々から,CDの購入方法が知りたいとのお手紙をいただき,前述のような購入法をお伝えいたしましたが,県外の女性お二方からのお便りには,以下のような短歌が添えられていました。 「ラジオにて 医師兼歌手能(の)はなし阿里(あり) CD求免亭(めて)熱上香(が)り遊(ゆ)く」 「春暁四時 トゥランドットのアリア聴く神の声持つ医学部教授」 私も生まれて初めての「短歌」で「返歌」をいたしました,下記のごとく。 『春深夜「明日へのことば」本音語りし長〜い苦しみ 一瞬の喜び』 |
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