問診・問診票
問診とは診察の時に自分の症状を医師に説明したり、医師からの質問に答えることです。人間ドックにおいてもいろいろな問診が行われるとともに問診票が利用されます。自覚症状を始め、過去の病歴、生活環境など今後の生活指針に関するうえで質問には正確に答えることが大切です。
身体計測
身体計測では主に太りすぎが問題となります。肥満度±10%なら正常範囲。肥満度20%以上となると太りすぎですから減量が必要となります。この場合、医師や栄養士などの指導を受けてから食事や運動療法による減量に取組むことが大切です。
|
便の検査
(潜血反応)
消化管からの出血があるかどうかを調べる検査で、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、食道がん、大腸がんなどの診断上大切な検査です。陽性の場合消化管からの出血が疑われます。ただ、ちょっとした出血、口中・歯肉・鼻・のど・痔出血などの混入もよくあります。女性では生理血が混じる場合もあります。
尿の検査
(尿蛋白検査)
腎臓、膀胱、尿道などの異常を調べる検査です。
(尿糖検査)
糖尿病の発見を主目的とする検査です。
(ウロビリノゲーン検査)
肝臓障害の有無を調べるのが、主目的の検査です。ウロビリノーゲンは常に尿中にある程度は出ているものですが、増えたり、あるいは逆に減ったりすると、肝臓や胆嚢の異常が疑われます。
(尿沈渣)
腎臓や膀胱の異常を調べる検査です。尿の沈殿物を顕微鏡で観察します。沈殿物の中に異常がある場合は次のような病気も疑われます。
赤血球が多い・・・・・腎炎、腎結石、腎腫瘍、動脈硬化、心不全など
白血球が多い・・・・・腎炎、膀胱炎、尿道炎など
円柱がみられる・・・・・腎炎、高血圧、心不全、膠原病など
上皮細胞がみられる・・・・・尿路系の炎症
脂肪顆粒がみられる・・・・・ネフローゼ、慢性腎不全
尿酸塩がみられる・・・・・痛風
血液の検査
血液は健康状態を把握するための貴重なバロメーターです。大きく分けると次の3つの血液検査があります。
(血液一般検査)
赤血球、白血球、血小板などの血液成分の数や機能などを調べる検査です。主に貧血、細菌感染症、紫斑病などの血液の異常をチェックします。
(免疫・血清検査)
血液中に抗体があるかどうかを調べる検査です。抗体とは、病気にかかると血液中にできるその病気に対する物質で、この抗体を調べることによって病気にかかっているかどうかを調べることを主目的としています。人間ドックにおいては肝炎、リウマチ、梅毒などについてチェックします。
(生化学検査)
血液中に含まれるいろいろな物質の有無、量などを調べる検査です。様々な物質を分析することで、人間ドックにおいては主に肝臓・腎臓の機能状態、高脂血症等をチェックします。
循環器の検査
(血圧測定)
高血圧や低血圧を診断します。高血圧は循環器(心臓、血管)を始め腎臓、内分泌や代謝系の異常を知る重要な手がかりとなります。
血圧の判定についてはW・H・Oの基準が広く用いられています。
(心電図検査)
冠動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、不整脈などの有無を調べるもので、心電図(グラフ)の波形でわかります。
消化器の検査
(消化器レントゲン検査)
胃がんの早期発見が主目的ですが、そのほか、食道の病気、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの有無も検査します。検査にあたっては、胃腸の中を空にしないとできませんから、当日は空腹状態で検査を受けることになります。また、診断しやすくするため胃の余分な運動をおさえる注射をします。この注射は緑内障や前立腺肥大のある人にはよくありませんので、該当する人は申し出てください。撮影のときには、バリウムとよばれる白いドロドロとした造影剤と発泡剤を飲みます。これは二重造影法といって、バリウムによって陰影をつくるとともに、発泡剤で空気を発生させ、胃腸の粘膜のより繊細な変化をとらえようとする診断法です。
(腹部超音波検査)
超音波診断装置を利用して、胆石をはじめとする胆嚢、肝臓、膵臓など腹部内臓の異常を調べるもので、超音波を発射して、そのはね返りぐあいをテレビモニターに映し出して検査します。
呼吸器の検査
(肺活量測定)
肺活量とは、最大の吸気の後に吐き出しうる最大呼吸量で、肺機能検査としては簡単なものですが、肺や気管支の異常がわかります。正常値は性別、年齢、身長によって差があります。また、1秒率・1秒量といって、最初の1秒でどのくらい吐き出せるかを調べます。この1秒率の正常値は70%以上とされています。
(胸部レントゲン)
肺の異常を調べるのが主目的ですが、心臓の異常についても検査するもので、肺結核や肺炎、肺がん、心臓肥大などがわかります。肺に異常があった場合には断層撮影、心拡大がみられた場合には心電図、超音波検査など、さらに詳しく調べることが必要です。
眼底の検査
目の異常をはじめ、高血圧、糖尿病、腎炎、貧血、白血病、動脈硬化などの有無をみる検査です。眼球のいちばん奥の網膜の血管を眼底カメラを使用して写真を撮り判定します。正常・異常の判定にあたっては、高血圧、動脈硬化の場合はKW=キースワグナーの分類がもちいられ、KWⅠ~Ⅱは心配ありませんがKWⅢ以上は注意を要します。また、糖尿病性網膜症の場合はスコット分類がもちいられ、Ⅰa・Ⅰb・Ⅱa・Ⅱbと数が多くなるほど重症とされています。