編集後記


 みちびき4号機を搭載したH2Aロケットが10月10日に種子島宇宙センターから打ち上げられました。南の空に吸い込まれていくロケットの軌跡を紫原の自宅のベランダから娘と見ることができ感動しました。日本版GPSを利用した色々なサービスが期待されています。車線変更などの際にセンチ単位の位置情報が必要になる車の自動運転の実用化にも大きな役割を担うとのことです。この日本の独自の測位衛星の運用が待ち遠しいものです。
 「誌上ギャラリー」には久保先生より「猪苗代湖の象徴」の写真をいただきました。悠然と泳ぐ白鳥が印象的です。
 「挨拶」には鹿児島医療センターの院長に就任された田中康博先生にご寄稿いただきました。これからますます鹿児島の医療向上のためにご尽力いただけますことを期待しております。
 「論説と話題」は鹿児島市医師会病院吉村事務部長より全国医師会共同利用施設総会,全国医師会病院事務長会の報告です。公的医療機関等2025プラン策定に向けて医療ニーズや財政・行政等の動向を見極めながらの準備が重要とのことです。
 「くすり一口メモ」はコデイン含有医薬品の小児への使用制限についてです。安全面への配慮から平成31年を目途に原則12歳未満の小児が禁忌となるようです。
 「学術」には今給黎総合病院の恒吉先生からは膀胱がんに対する腹腔鏡下膀胱全摘術+回腸利用代用膀胱造設術の初期経験を報告していただきました。3症例とも経過良好で低侵襲な手術により術後のQOL向上が期待できそうです。鹿児島生協病院の中島先生より関節リウマチに合併したアミロイドーシスによる慢性腎臓病(ステージ5)患者にトシリズマブ投与により透析離脱し長期予後が良好な症例を報告していただきました。
 鹿児島市内科医会症例検討会の中で,医師会病院の石崎先生より医師会病院における胆嚢癌手術成績について,藤田先生より心不全の原因疾患を探る,武井先生より統合失調症があり長期精神科でフォローされ,進行性の両肩〜上肢の筋萎縮・筋力低下が出現した一症例,中川先生より進行性に拡大する多巣性の大脳白質病変を呈した一例を報告していただきました。
 「医師会病院だより」は大塚先生より婦人科の診療について報告いただきました。漢方,ペイン外来も開設され更年期症状といった不定愁訴に悩む女性への診療の幅が広がっているようです。
 「切手が語る医学」には,今回も古庄先生からルーマニアの切手を紹介していただきました。いつもありがとうございます。
 小田原先生からは日本医療安全調査機構のセンター調査の結果を公開する方針を示したことについて問題点を指摘していただきました。適正な運営が望まれます。
 「リレー随想」は県立大島病院松田先生よりご寄稿いただきました。リレー随想を頼まれた際に多くの先生方が経験される困った様子がユーモラスに描かれています。趣味が多いことは楽しそうです。
 「各種報告」には,3年後に設立50周年を迎える鹿児島市医師会臨床検査センターに対するアンケート結果について報告していただきました。長きにわたり運営していただいており,感謝の気持ちでいっぱいです。これからのますますの発展を期待しております。
 野村先生より学校心臓検診報告,前田先生より学校腎臓検診報告,八重倉先生より学校糖尿検診報告をいただきました。ありがとうございます。
 米盛先生より例年開催しています多数傷病者事故対応訓練等について報告いただきました。具体的な事故を想定しての訓練,現場での情報管理が重要であり,訓練を重ねることで伝達時間の短縮につながっているようです。
 新燃岳の噴火や,季節はずれの大型台風,世界各地で起こる大地震や山火事など,自然の動きが大いに気になります。今年も残すところ2カ月ほどになりました。平和な日々でありますように。

                             (編集委員 今村 直人)

                                              

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