[設立70周年記念特集]

新制鹿児島市医師会設立70周年に寄せて


西区・伊敷支部
(海江田外科)
顧問 海江田 健
 この度,新制鹿児島市医師会が設立70周年を迎え,平成29年11月に城山観光ホテルで盛大に記念祝賀会が催されたことは会員の一人として誠に喜ばしいことだと存じます。私は昭和46年(1971年)秋に当時勤めていた鹿児島市立病院時代に鹿児島市医師会に入会させていただき,その後昭和47年9月に現在地の伊敷で外科の有床診療所を設立してきていますので現在まで46年間に渉って伊敷支部会員としていろんな面でお世話様になってきています。
 この間昭和59年4月から平成8年3月まで6期12年間に渉って理事を,平成10年4月から平成16年3月まで6年間会長職を務めさせてきていただいていますので,この間鹿児島市医師会に関与してきたことを中心に思い出すままに述べさせていただきます。理事職としては看護専門学校の高等課程,専門課程や医師会病院,保険,経理,救急医療,臨床検査センター,庶務などを主担当として勤めてきていますが,中でも初めて担当した看護専門学校では看護教育について当時の中原教務主任(高等課程)や城ヶ崎教務主任(専門課程)と熱心に討論しながら勤め,また開設されて間もない医師会病院についても先輩役員の先生方のご指導をいただきながら務めさせていただいたことが深く印象に残っています。
 平成10年4月に会長に推されて就任いたしましたが鹿児島市医師会が新制医師会として発足してから前年で節目の50周年を迎えた時期でしたので第10代目の会長として50年後の100周年に向けての半世紀を再出発する極めて大事な年であるとしてこの時期に会長職を務めるのは大変光栄なことと感じるとともにとても緊張していたことを思い出しています。ここで会長時代の6年間に起こった主な出来事について行政事業を含めてまとめて述べてみたいと存じます。平成10年5月には 『鹿児島市医師会50年史』 発刊,10月鹿児島市,郡の介護認定審査会スタート,医師会病院が九州で第1号として 『地域医療支援病院』 の名称使用承認,平成11年10月介護保険の介護認定審査事業開始,11月指定居宅介護支援センター開設,医療何でも相談窓口開設,平成12年4月介護保険スタート,4月には市医師会に区制を導入し新たに5区を定め,これまでの各支部間の会員数格差の是正を図る。平成14年2月検査センターにホストコンピューターMP5400搬入,7月医師会病院増改築工事着工,10月検査センター新搬送システム搬入,12月医師会看護専門学校創立50周年記念行事,平成15年10月医師会病院新館増改築竣工式,高気圧酸素治療装置,MRI装置の導入などをしてきています。この他に平成14年2月にはかねてから念願であった鹿児島県有床診療所協議会を設立にこぎつけ初代会長に就任できたことなどがあります。
 今後少子高齢化はますます進行し医療の高度化などによって医療費は増大の一途を辿りこのままでは医療保険制度は破綻してしまうとして医療提供体制と医療保険制度の両面にわたって抜本的な改革がなされようとしてきていますが,我々医師会は情勢をよく判断してこれまで通りのより良い医療や介護などを提供していけるように努力を続けていくべきであると思います。国民のための適切な医療は医師と患者の信頼関係がなければ成立しないのでこのために医師自身が己を律し高い倫理観を持って医療にあたることが必要と思われます。これからも鹿児島市医師会が会員の皆様方や職員の絶え間ない努力によってますます発展していくことを祈念しています。




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