[設立70周年記念特集]

祝     辞


鹿児島県医師会 会長
池田 琢哉
 本日ここに,鹿児島市医師会70周年記念式典が,盛大に挙行されますことを,心よりお喜び申し上げ,お祝いの言葉を贈ります。
 鹿児島市医師会は,戦後の焼け野が原のなか,昭和22年11月1日に「新制医師会」として発足したのであります。GHQの指令により旧医師会が解散させられたあと,新たな制度のもとに,新たな医師会が設立されました。以来70年の長きに渡って,山積する多くの課題と取り組まれ,苦難を克服して,名実ともに今日の充実した医師会をつくり上げられました。ここに至るまでには,多くの先輩,並びに職員の皆様の血のにじむような努力と,医療の発展,向上に懸ける情熱があったことを,忘れてはなりません。ここに改めて深甚の敬意を表します。
 新制医師会の初代会長,平安山長義先生は,県立鹿児島病院長のほか,戦後鹿児島県医師会長も務められた,当時の郷土医療界きっての「大物」でありました。南日本新聞の「郷土人系」によれば,「内剛外柔」の典型的な野人肌で,西洋哲学の造詣も深く,議論好きで酒豪,大食漢だったそうであります。その平安山初代会長から数えて,現在の猪鹿倉会長は14代目。ここにも,医師会の長い歴史が脈打っております。
 さて,鹿児島市医師会は,戦後189人でスタートしましたが,現在では,会員1,501人,医療機関数545を数えるまでに成長し,全国でも有数の医師会に数えられているのであります。この間,臨床検査センター,看護専門学校,夜間急病センター,医師会病院などの共同利用施設を運営され,それぞれの時代に応じた,医療,介護,保健,福祉が一体となった,総合的地域医療の実現に努めてこられたのであります。なかでも医師会病院は,中核病院としての機能を有するとともに,鹿児島・日置地区における二次救急病院として,地域住民の福祉の向上に寄与していることは,ご承知の通りであります。
 少子高齢社会が到来するなか,来年は医療界にとって,「大いなる節目の年」,「大転換」の年であります。診療報酬・介護報酬の同時改定を始めとして,第7次医療計画,第7期介護保険事業計画,さらには第3期の医療費適正化計画もスタートし,地域医療構想も動き出します。
 鹿児島医療圏ではこれから高齢化が急速に進み,地方とは違う機能分化が求められると思います。在宅医療への対応も急がねばなりません。多くの課題が待ち受けてはおりますが,鹿児島市医師会にはそれを克服する力強い「医師力」があると確信いたします。私共も一緒になって,課題の解決に取り組む決意であります。
 70周年を一つの契機として,鹿児島市医師会が更なる発展を遂げられ,鹿児島市民だけではなく,県民の「安心,安全」のために,精進されますことを祈念いたしまして,お祝いの言葉といたします。




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