1. ひとり暮らし高齢者の みまもり
・・姶良市「いけじま安心ネット」の取り組みから・・
○月○日 ○時
“玄関チャイムを鳴らしたが出てこられなかった。窓のカーテンが全部閉められていた。”
○月○日 ○時
“再び訪問しチャイムを鳴らしたが出てこられなかった。カーテンも閉まったままだった。少し心配になって夜電話してみたら受けていただき,「今度は庭の方へ回ってみて下さい」と言われた。”
○月○日 ○時
“「どうですか」と訪問する。パジャマ姿だった。「最近はすることもなく,寝てばかりで今日は頭痛がする」と言われた。”
○月○日 ○時
“玄関チャイムを鳴らし,庭の方へ回ると窓を開けて下さった。「どうですか,お変わりないですか」というと,「相変わらず,することもなく寝ていた。最近は,毎日がうっとうしく,早くお迎えがきてくれたらいいのにと思うことがある」と言われた。少々心配な気持ちになる。”
○月○日 ○時
“チャイムを鳴らして庭の方へ回るとすぐに出てきて下さり,ご自分の方からどんどん話して下さった。今日は,生き生きしていろいろ話して下さり,こちらも嬉しくなった。”
○月○日 ○時
“チャイムを鳴らしたが,しばらく出てこられなかった。カーテンも閉まっていたが,しばらく待っていると窓を開けて下さった。「何もしたくないし,頭がフラフラしてお腹もすかないので夕食も食べていない」と言われた。「Aさんは縫い物をされていたから,巾着袋でも教えたらどうですか」と話したが,あまり気乗りされない様子だった。”
○月○日 ○時
“チャイムを鳴らすとすぐに出てきて下さり,いろいろと話をされた。最近は,私が訪問するとすぐに近くに来られ,自分から話をされるので少し嬉しい気持ちになる。”
○月○日 ○時
“今日は外出されたのか,おしゃれでとてもステキに見えた。いろいろと話もされてハツラツとされている。「この服も自分が作ったんですよ。自分の服は殆ど自分で作りました」と生き生きと話された。「すごい」と思った。”
○月○日 ○時
“庭の方へ回るとすぐに顔を出して下さった。「頭が重くて憂鬱だし,今日は一日中テレビをつけていた」と言われた。いろいろ話をしていると,お隣のBさんが来られて「Aさんは,洋裁のプロだから教えてもらいたい」と言われ,私も「手直ししたい服がありますが」と言ったら,「いつでも手直ししてあげますよ」と言って下さった。やはり,洋裁の話をすると生き生きとされるのがわかる。
○月○日 ○時
“チャイムを鳴らしたが,なかなか出てこられず待っていると顔を出してくださった。外はポカポカ陽気なのにやはり寝ていらっしゃったようだ。「調子が悪い」と言われた。「今日は,スカートを短くしてもらいたいと思ってもって来ました。」と言うと,すぐに洋裁室を開けて下さり,早速スカートの裾上げを始めて下さった。すばやい手さばきに驚いてしまった。ここで何十年も仕事をされていたのかと思うと感慨深いものを感じた。しばらくすると,隣のBさんもワンピースを持ってこられ,3人で洋裁教室が始まった。6時過ぎまで,おしゃべりをしながら楽しい時間を過ごした。
<「いけじま安心ネット」の立ち上げ>
私が住む姶良市池島町自治会では,今年1月から高齢者見守り事業である「いけじま安心ネット」を立ち上げました。ご紹介した記録は,ある支援員(見守りをする人)が要援助者であるAさん(84歳女性)という一人暮らしの高齢者を訪問し,実際にやりとりした内容をまとめたものです。少し長くなってしまいましたが,これは一人暮らしの高齢者の日常がどういう環境におかれているか,そしてそれが支援員の訪問活動によりどう変わっていくのかを如実にあらわしています。これが全ての人に当てはまるかどうかは分かりませんが,少なくとも“安心ネットを立ち上げてよかった”と納得させてくれるのです。
近年,高齢社会の進行に伴い高齢者の孤独死など悲しい事件も発生しています。このようななかで,高齢者が孤立しないような社会を作っていくことは急務となっています。ここ池島町も例外ではなく,住民約640世帯・1,400人のうち75歳以上が154世帯・200人と確実に高齢化は進んでおり,自治会として早期の対応が必要だと考えられていました。そこで,自治会では一昨年(2015年)から勉強会等の準備を進め,昨年5月には「いけじま安心ネット推進準備委員会」を結成し,不肖私もその一員として関わらせていただくことになったのです。それから,75歳以上の高齢者マップつくり,安心ネットカード(高齢者カード)の作成,要援助者の把握,見守りをしていただく「安心支援員」の選任など取り組みを進め,ついに今年1月22日発足することができたのです。ここにこぎ着けられたのは,準備委員会メンバーの昼夜をいとわない頑張りと,自治会長自ら準備委員として先頭に立っていただいたことによるものと思っています。
現時点では75歳以上の一人暮らし高齢者43人を対象に,16人の支援員がボランティアで週1回を目途に訪問活動を行っています。ケースごとにいろいろな苦労は当然あると思いますが,冒頭の訪問記録にあるように,このケースでは発足4カ月にして双方の暖かい関係が生まれてきており,要援助者も支援員も「安心ネット」に確信を持ちつつあるのがわかります。今後更にその活動が地域全体に認知されることで,地域の安心安全にも大いに役立っていくものと思っています。
まだまだ試行錯誤の段階ですが,行政との関わりも模索しながら「いけじま安心ネット」がこの町に定着するよう取り組みを進めていきたいと思っています。
2. 安倍内閣の支持率と政権運営
これまで,各種世論調査では安倍内閣の支持率は5割を超える高い状況が続いてきました。
第2次安倍内閣は2012年12月,民主党政権に変わり誕生しましたが,それまでの政権運営の混乱の反動からか「安定志向」「決められる政治」への国民の期待はあったと思います。しかし,私はこれほど高い支持が続くとは思いませんでした。政策的にも「アベノミクス」による経済最優先を標榜する一方,特定秘密保護法や安保法制など,それまでの自民党政権ではできなかった日本の針路を大きく変えるような政策を,国民の反対を押し切って強行してきました。それでも影響は一時的で,しばらくすると支持は回復しているのです。そして最近は,国会審議もまともな議論はなく形骸化してきているといわれています。
どうして国民はこのような安倍内閣を支持してきたのでしょうか。
<若い年代ほど「現状肯定」?>
朝日新聞の世論調査では,安倍内閣の支持層は20代が最も高く,職業別では労働者層が大幅に増えているということです。第一次安倍内閣とは真逆です。小泉内閣以降で20代の支持が最も高い内閣は初めてとのことだそうです。朝日新聞によれば,このことについて,埼玉大の松本正生教授は「先が見えない不安の中で,今の状況がこのまま続いてほしいという現状肯定感がある」と指摘されています。
確かに年金制度をはじめとする社会保障制度等,将来に対する不安を誰もが感じているなかで,最近は株価は上がり失業率は下がるなど,「他の政権よりはまし」という感覚が働き「現状肯定」に繋がっているのでしょうか。しかし,私はこのまま「現状肯定」が続くはずはないと思うのです。
<強権的で傲慢な政権運営>
通常国会の閉会(6月18日)に合わせて実施された報道機関各社の世論調査結果によると,安倍内閣の支持率は全て5割を切り,中には支持と不支持が逆転しているものもあります。この結果は,安倍内閣の森友・加計学園問題や「共謀罪」法案への対応から当然のことではないでしょうか。森友・加計学園問題はひどいもので,都合の悪いことは“資料もない”“調査すらしない”“認めない”“証人喚問にも応じない”という,なりふり構わない疑惑隠しに終始し,「共謀罪」法案審議では,国民の疑問に応えるどころか,しどろもどろ答弁を繰り返したうえ,委員会採決を省略して強行採決を行うなど,安倍政権の傲慢極まりない姿勢が露骨でした。通常国会でのこのような傲慢な対応は,与野党の「数」の差と「支持率が高い」という驕りそのものだと思うのです。
安倍さんは内閣支持率を特に気にされているといわれています。これまで特定秘密保護法や安保法制などの強行で,その時は支持が下がってもすぐに回復してきました。このような「経験」が今の安倍さんの強気を支えているのは間違いないと思います。
嘗ては,「お灸をすえる」とよく言われました。今のように,政権(党)が驕り国民世論を無視したような時は,次の選挙で必ずしっぺ返しを受けたものでした。今回の世論調査結果に対しても,安倍さんが「国民はほとぼりが冷めればすぐに忘れる」とでも思っているとしたら,これほど国民をバカにしたことはないのではないでしょうか。安倍さんは国会閉会後の記者会見でさすがに「反省」を口にせざるを得ませんでしたが,その後の対応を見ていると口先だけの「反省」でしかなかったのかなと思えて仕方ありません。「お友達」は大事にするが,違う意見には耳を貸そうともしない安倍さん。このような安倍さんを忖度し,ものを言えない与党政治家や官僚。このような状況を目の当たりにすると,以前(拙稿X「空気を読む」とは)私が危惧したような方向に進んでいるように思えてならないのです。これをこのまま許していては,いまの「一強」が本当に「独裁」に繋がりはしないかと恐ろしくなります。そして「共謀罪」で国民を監視し萎縮させ,9条改憲でいよいよ戦争できる国に変えてしまう。
このようなシナリオを許すも許さないも主権者である私たち国民の判断にかかっているのです。
<国民は安部政権の本質を見抜く>
私には安倍政権は決して「他の政権よりよさそう」とは思えません。経済面でもアベノミクスは限界(失敗)とも指摘されており,これまでの強権的な政権運営を見ていると,むしろ傲慢で怖い政権だと思います。国政の様々な問題が,いまのところは日常の生活に直接は関係ないように見えても,いま気がつかないと取り返しのつかないことになりはしないかと心配で仕方がありません。
今回の世論調査結果が決して一時的なものでなく,政権を揺るがすような「主権者の意志」に繋がっていくかどうかですが,世論調査結果に表れているように国民は安倍政権の本質を見抜いてきています。
これ以上主権者が安倍さんにナメラレ,バカにされるはずがありません。
3. 東京都議会議員選挙の結果について
7月2日に行われた都議選の結果が明らかになりました。自民党が惨敗したことについてはいろいろな分析が行われていますが,共通しているのは,安倍政権に対する批判がそのまま反映されたということです。やはり東京の主権者は安倍政権の本質を見抜き,いつまでもナメラレ,バカにされてはいなかったのです。安倍さんは早速「反省」を口にされていますが,果たして何を反省されるのかおっしゃいません。その後の世論調査でも安倍内閣の支持率は続落傾向が続いているようです。
今回も口先だけの「反省」だったら,必ずや次は国政へと繋がっていくことでしょう。
4. フォトサークルの楽しみ
フォトサークル「あんぐる」を立ち上げて2年が過ぎました。現在22人のメンバーで楽しく活動を続けています。月1回の例会と,年3〜4回の撮影会,それに夏と冬の飲み会。これが楽しみで退会者もおらず和気あいあいと続いているのです。
今年4月,初めてバスを借り切って人吉に撮影旅行に出かけました。SLと人吉城の桜をメインに楽しい撮影会ができました。今年は桜の開花が遅く残念な面もありましたが,人吉駅と渡駅でSLの勇姿を撮り,人吉城では球磨川と古城のコラボを楽しむことができました。
春と秋には,姶良市の図書館で写真展を開催しています。半年間に撮りためた写真の中から,どれがいいかとみんなで選び展示するのです。そして見ていただいた方々から率直な感想をいただくと,これが大きな励みになり次にむけての作品づくりが始まるのです。
写真を撮る楽しみ。メンバーが集まって活動する楽しみ。そして,そのなかで素晴らしい人間関係がつくられていく。
これからも人生のよき仲間として「あんぐる」を楽しんでいけたらと思っています。

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