年 頭 の ご 挨 拶
| 公益社団法人 鹿児島市薬剤師会 会長 谷 口 欣 平 |
謹んで新春のお喜びを申し上げます。鹿児島市医師会の先生方には，皆様お揃いで新たな年をお迎えになられたことと思います。また，私ども薬剤師会の会員が各面から大変お世話になっていることに，心よりお礼と感謝を申し上げます。
さて，昨年は4月14日・16日に震度7に2度襲われた熊本地震では，倒壊した住宅の下敷き，土砂崩れ等で多数の尊い人命が失われ，建物等も住宅全半壊約3万6千棟，一部損壊約13万棟で，熊本城は天守閣の屋根瓦や石垣6カ所，塀も100m崩れ，重要文化財の東十八間櫓等も倒壊し甚大な災害を被りました。
また，台風が遅く7月に発生したにもかかわらず下旬に3個発生，8月中旬には太平洋北西部に3個も同時に存在し，そのうち台風10号は観測史上初めて東北地方の太平洋側に上陸，北日本に大きな豪雨災害をもたらしました。9月にも7個の台風が発生，台風16号は大隅半島に上陸し豪雨災害を引き起こしました。自然の脅威にただ驚くばかりで，亡くなられた方々の冥福をお祈り申し上げますとともに，被災者の早急な復旧を願っております。
半面，ブラジルのリオデジャネイロで開催されたオリンピック・パラリンピックは日本中に感動を与えてくれました。メダル獲得数は史上最高の41個となり，レスリング女子の伊調選手が五輪史上初の女子個人種目4連覇を達成し，競泳男子400m個人メドレーやバドミントン女子ダブルスでは日本人初の金メダルを獲得。パラリンピックでも前回以上の24個のメダルを獲得し見るものすべてが圧巻で感動の連続。SEE YOU IN TOKYO（東京で会いましょう）で幕を閉じ，4年後の東京開催でのますますの活躍が期待されます。
ところで，昨年は，医療関係者を取り巻く情勢が大きく変化し動き出した年でございます。団塊の世代が75歳を超え，要介護になる確率が高くなっていく2025年を見据えて，地域医療構想（ビジョン）策定の「効率的かつ質の高い医療提供体制の構築」と重度な要介護状態でも，住み慣れた地域で医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の構築が示されました。私どもには，かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師の概念が導入され，また，在宅医療や地域医療貢献などより地域に密着した薬局・薬剤師像が求められております。
今後とも，私どもを取り巻く環境は厳しさが続きますが，夜間救急薬局の運営をはじめ，市医師会先生方のご指導のもと，引き続きより良い医療を市民のために提供してまいりたいと思っております。本年も，先生方のますますのご活躍をご祈念申し上げて新年の挨拶とさせていただきます。
(C)Kagoshima City Medical Association 2017