=== 年頭のあいさつ ===
看 護 の 将 来 ビ ジ ョ ン |
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公益社団法人
鹿児島県看護協会 会長
平 川 涼 子
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 鹿児島市医師会の皆様に謹んで新年のお慶びを申し上げます。また,日頃から本会事業に対しご理解とご協力を賜り,心から感謝申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて,昨年は看護職に関して新たな制度が創設されました。ひとつは,「離職した看護師の届け出制度」であり,もう一つは「特定行為に関する研修制度」です。
前者は,看護職確保対策の一つですが,離職時にナースセンター(鹿児島県看護協会内)に氏名・住所等を届け出,その後,ナースセンターの就業相談員の支援を得ながら再就業を円滑に進めていくものです。ナースセンターとつながることで,様々な情報を得,ライフサイクルに応じた働き方を見つけていく仕組みです。ナースセンターは無料職業紹介所としての認可を受けておりますので,希望に沿った就業先を見つけることが可能となります。
後者は,高齢者施設や訪問看護の場等で,医師不在の場合において,看護師が手順書に沿って判断しながら,診療の補助行為を行える制度です。厚生労働省のチーム医療推進審議会で4年間議論され,21区分38の医行為を看護師が実施できます。研修期間も最大で半年以上かかりますが,認定看護師であれば,これまで学習した内容を読み変えることも可能です。e-ラーニング研修も開始されています。現在,鹿児島県内に特定行為に関する研修機関はありませんが,離島・過疎地の多い本県にとって安心安全な医療の提供に寄与する研修制度ですので,早期の実現を期待しています。
さて,日本看護協会では,前項の2つの制度をふまえ,2025年に向けた看護の挑戦として「看護の将来ビジョン」を策定いたしました。“いのち・暮らし・尊厳を まもり支える看護”“人々の生涯にわたり,生活と保健・医療・福祉をつなぐ看護”として,多岐にわたる具体策を提示しています。これからは,「治療の場」から「暮らしの場」へと重点をうつし,予防・相談・訪問看護の充実等,地域での看護活動整備が課題となり,看護師の意識改革も必要です。このビジョンにより,これからの看護の役割が明確になったと考えます。
いつでもどこでも切れ目なく県民が必要な医療を受けられるような仕組みも大事ですが,病気の予防・重症化予防の仕組みづくりも重要です。多くの方がご自分の健康に関心を持ち,健康寿命を延ばすべく自ら予防策を実践されています。今年は,本会でもこの流れを後押しできるような事業も工夫したいと考えております。
結びに,貴医師会のますますのご発展と会員の皆様のご健康を祈念申し上げて新年のご挨拶といたします。

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