=== 新春随筆 ===

       実際に検査説明・相談の導入と効果について




 鹿児島県臨床検査技師会 会長  有村 義輝

 明けましておめでとうございます。
 鹿児島市医師会の先生方におかれましては,ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。また,日頃から鹿児島県臨床検査技師会の運営に際しまして,心温かいご理解とご支援を賜り心から感謝申し上げます。
 さて,日本臨床衛生検査技師会は検査説明・相談ができる臨床検査技師育成事業に力を注いでおります。この事業は臨床検査技師に患者向けの臨床検査説明・相談実施に必要な知識および技術を習得させ,もって臨床検査技師のチーム医療参画の質的向上を図ることを目的としております。
 鹿児島県においても本講習会を平成27年2月,44施設58人の参加で開催いたしました。内容といたしましては『検査説明・相談に取り組む意義』『期待するもの』『接遇』『患者心理』『各部門の項目別解析方法』『R-CPC』『検査説明の実際』としました。
 受講生からは,『他職種との連携』『臨床とのすり合わせ』『幅広い知識の習得』なども必要との意見等があげられるなど本講習会への積極的参加がくみ取れました。
 今回手探りでの開催となりましたが,受講者からは比較的好評価をいただきました。
 しかし,終わってみると次への課題が見えてきました。次への課題とは,すなわち『施設においての検査説明の導入』であります。講習会を受講したのはいいけれど,そのままになっている技師(施設)が多いのではないかと懸念していたのです。各施設へのその後の取り組みについて問い合わせたところ,講習会参加技師の所属している施設において1施設が昨年4月より検査説明を導入しておりました。その施設とは「鹿児島市医師会病院」であります。人間ドック受診者で希望者を対象にして取り入れているとの事です。
 この施設の実際の検査説明に関しての導入までの経緯と運営を紹介いたします。導入までの経緯としての問題点は,院長先生・診療部の先生・医療従事者へいかに説明し了承していただくかが焦点とのこと,鹿児島市医師会病院においては院長先生をはじめ診療部の先生方から過分な評価とご理解をいただきましたとのことです。チーム医療として臨床検査技師が携わっていることが,人間ドックの診察に大変役立っていると担当医から過大の評価をいただいているとのことです。運用に関しては人間ドック診察の前に検査総論を,診察後に個別に検査説明を実施しているとのことです。受診者の方々からも好評可を得ているとの事です。最初から外来で検査説明を始めるよりは,健診業務の人間ドック結果説明で実績を重ねることが重要とのこと。検査説明業務運用としては今後,医師・看護師の業務過多を少しでも支援する体制を目的と考えているとのことです。技師会を代表しまして改めて鹿児島市医師会病院のご協力とご理解に厚く感謝申し上げます。
 最後に技師会としての機能を十分に発揮し,鹿児島市医師会の先生方の診療支援チームの一員として活躍できる臨床検査技師の育成に努めるべく,技師会活動を行う所存でありますので,ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。



  



  



  




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