編集後記


 6月の記録的な大雨から一転,暑い暑い夏が続いています。今年は灰が降らずにラッキーなんて悠長に過ごしていましたが,桜島大噴火の可能性が高まっているとの情報が突然飛び込んできました。進路が予測できる台風と違い,いつ大噴火がおこるのかわからない緊張感のある日々となっています。
 「誌上ギャラリー」は有馬義孝先生より「加治木の太鼓踊り」をいただきました。疫病を追い払わんとする様が伝わってきます。
 「論説と話題」は「第47回九州地区医師会立共同利用施設連絡協議会」の報告です。フレイル患者に対する薬剤師の介入及び家族指導の効果,看護師を地域で育てるネットワーク作り,長崎市夜間急患センターの現状から見る課題と将来の展望,がん検診・特定健診の受診率向上の取り組みについて,福岡市医師会の物品購入に関するコスト削減への取り組み,臼杵市医師会の災害時の対応,看護師の確保のために取り組んでいること等について報告していただきました。日本医師会長による「日本医師会の医療政策」,福岡市博物館館長による「近代化産業遺産の意義−それはなぜ守られなければならないのか−」と題した特別講演についての詳細な報告をいただきました。
 堀内正久先生ならびにコ永公紀先生に「鹿児島市CKD(慢性腎臓病)予防ネットワークプロジェクト」について報告いただきました。本プロジェクトはCKD予防ネットワーク登録医と腎臓診療医との連携により,CKDの重症化予防,透析導入患者の減少を目的に平成26年4月より開始されています。周知されCKD予防につながってほしいものです。
 「鹿児島市医師会勤務医会 勤務医の勤務実態に関するアンケート調査票の結果報告」では,勤務状態に関する初めてのアンケート調査を詳細に報告していただきました。貴重な資料として,今後に役立てていただきたいと思います。
 「くすり一口メモ」は新上香奈子先生に睡眠薬の併用禁忌薬剤・使用禁忌疾患・高齢者投与量について,表を使ってわかりやすく教えていただきました。適正使用につながることと思います。
 「学術」は中島 均先生に腹部大動脈瘤の診療におけるステントグラフトの適応と限界について報告していただきました。今後は長期成績に優れた再治療率の低いステントグラフトの開発が待たれるところであります。
 「医師会病院だより」では鳥居博行先生に平成26年度の循環器内科入院患者において,冠動脈造影検査件数が開院以来1万例を突破したこと,入院患者の高齢化等について報告していただきました。日々の診療ありがとうございます。
 「切手が語る医学」には,今回も古庄弘典先生から共同募金・整形外科・医学校・薬学校・獣医の切手を紹介していただきました。いつもありがとうございます。
 「リレー随筆」は,志村 武先生の酒にまつわる思い出を振り返っていただきました。健康に気遣い,ビール・日本酒から赤ワイン・焼酎へ嗜好が変化していく様子が楽しく書かれています。家族の存在も大きいようです。「酒は飲んでも呑まれるな」を実践し,スマートに楽しく飲みたいものです。
 「各種部会だより」では,鹿児島市刀圭会夏季例会の報告です。「アジアに羽ばたく鹿児島の未来」と題した講演の中で,鹿児島は東京とアジアを結ぶハブ空港的な役割が期待できるというお話を報告していただきました。
 夏の甲子園では開幕試合で鹿児島実業高校の打線が大爆発して大いに盛り上がりました。鹿児島では桜島の大噴火があるのかないのか,気にしながらの毎日ですが,大型の台風も近づいてきています。まだまだ残暑も続くことでしょう。これからの台風シーズン,防災の意識を高めて無事に乗り切っていきたいものです。

                                   (編集委員 今村 直人


                                              

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