編集後記


 今年も年の瀬が近づいてきましたが,スポーツ界においては,世界ランキング5位にまであげてきた錦織 圭選手の活躍が私たち日本人に勇気と感動を与えてくれています。サッカーでは鹿児島出身のベテラン遠藤選手が加わったことで調子の出てきそうなアギーレ監督率いる日本代表のアジアカップが楽しみとなっています。身近なところでは今年のマスターズ甲子園鹿児島県予選で,悲願の初優勝を果たした鶴丸高校野球部OBチームが,長年の夢であった甲子園球場の土を踏むことができました。甲子園で流れた校歌,応援歌の“蒼天駆ける”に大きな感動を覚えたことでしょう。
 「誌上ギャラリー」には馬場先生よりチェコの首都プラハを流れるモルダウ川に架かる石橋“カレル橋”の美しくライトアップされた画をいただきました。いつの日か歴史あるこの橋を渡ってみたくなりました。
 「論説と話題」には今村副会長から市医師会の1年を振り返ってもらいました。医師会病院,検査センターの現状,今後の取り組み等について報告していただきました。“子どもたちに光を”の言葉が印象的でした。
 恒例の「1年を振り返って」には各専門医会の会長,中央事務局,臨床検査センター,医師会病院,夜間急病センターの責任者に今年の1年間の運営状況等について報告していただきました。
 「くすり一口メモ」では最新の糖尿病治療薬の併用の可否について表を使って具体的にわかりやすく示していただきました。経口血糖降下薬は7つに分類され治療の選択肢が広がっており,それぞれの効能を生かしたきめ細やかな対応が求められるようです。
 「学術」には中川先生,高城先生より鹿児島市内科医会CPC(臨床病理検討会)での症例,意識障害を繰り返し起こしたトルコ鞍部髄膜腫を有する88歳男性についての報告をいただきました。トルコ鞍部の髄膜腫による下垂体機能不全があり,長期にわたりステロイド薬を内服していたために易感染性があった患者が敗血症を繰り返し,最終的には真菌血症を発症し,急性呼吸促迫症候群で死亡した貴重な報告でした。医師会病院泌尿器科の有村先生より精索脂肪肉腫の一例について報告していただきました。脂肪肉腫は四肢,後腹膜などの軟部組織に後発する肉腫で精索に発生するものは稀であること,治療法は外科的切除が第一選択とされること,予後は良好と思われるが,再発例も散見されることを教えていただきました。
 「随筆・その他」では,古庄先生から5点の心臓に関する切手をご紹介いただきました。ハートならではの表現に,見ているだけで心温まる気持ちになります。大いに感銘を受けました。植松先生には薩摩の歴史の中に登場する馬についてご教示いただきました。リレー随筆では,ハワイで結婚式を挙げられた弟さんを通して,ほのぼのしたファミリーの様子を大毛先生より伝えていただきました。親孝行のひとつのモデルとして大いに参考にさせていただきたいと思います。
 「各種報告」の中で,村上先生,大坪先生,山元先生,重森先生より第20回日本保育園保健学会についての詳細な報告がありました。来年10月には小児科医会会長の南武嗣先生を会頭として鹿児島市民文化ホールで開催される予定ですので,会員の皆様には奮ってご参加いただけますようお願い申し上げます。
 最近やっと冬らしく寒い日が増えてきました。感冒や感染性胃腸炎が増えつつあります。インフルエンザも徐々に流行してくる季節になりましたので,体調管理には十分留意され,元気に忘年会シーズンを乗り切り,楽しいクリスマス,ハッピーな新年を迎えることができますよう頑張って参りましょう。

                                   (編集委員 今村 直人


                                              

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