編集後記


 台風の季節も過ぎた11月,鹿児島では「おはら祭」や学園祭,その他さまざまな文化的なイベントが催され,また県内各地の紅葉の名所は見ごろを迎えます。清々しい秋晴れのもと,紅葉狩りなども気分転換にいかがでしょうか。
 さて今号の「誌上ギャラリー」には,水間先生から錦江湾上空に広がる雄大な朝焼けの写真をいただきました。美しい朝焼けを目にすると,1日の始まりが厳かな気持ちになります。
 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科教授に就任された原先生からは,ご挨拶を頂戴しました。
 「論説と話題」は「第58回九州ブロック学校保健・学校医大会並びに平成26年度九州学校検診協議会(年次大会)」が8月に宮崎で開催され,部門ごとの講演やシンポジウムについて報告されました。
 「医療トピックス」は,9月に福岡で行われた「第55回日本人間ドック学会学術大会」が超ロングセラー「養生訓」をメインテーマに掲げ,健康長寿を目指すシンポジウムや講演が行われたことなどが報告されました。
 「くすり一口メモ」は新規経口癌性疼痛治療薬「タペンタドール塩酸塩」タペンタ錠が紹介され,麻薬に指定された本剤は中等度から高度の各種癌の疼痛に適応があり,投与量の決定や増量時の注意点などについて記されました。
 「学術」には九州大学病院特任教授,安藤眞一先生が鹿児島市内科医会でのご講演内容「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断と陽圧呼吸治療の実際」をご寄稿くださいました。SASは昨今ではCommon diseaseとして認識されつつあり,その影響は広範におよび,特に重症例についてはきちんと診断して治療することが重要とのことです。
 稲田先生からは原発不明の癌性腹膜炎で画像検査では診断に至らず,「セルブロック」を補助診断に用いて治療方針が決まり,化学療法が奏功した2症例をご報告いただきました。
 「医師会病院だより」では開院以来30年を迎えた診療放射線室の現況について,検査機器と検査日の紹介とともに昨年の電子カルテ導入と情報システムの整備により効率的な診療環境が構築されたこと,また認知症に対する最新の画像診断についてもご紹介いただきました。
 「切手が語る医学」では古庄先生から心臓に関する図柄の珍しい海外の切手をご紹介いただきました。
 「随筆・その他」では西橋先生の「学芸会」にまつわるエピソードが,小学校時代の思い出からご自身が教員としてご活躍された経験まで,たいへん興味深く綴られています。
 「リレー随筆」は吉田先生からもはや趣味の域を超えて「焼酎博物館」と化したご自宅の様子や,「焼酎バー」構想まで視野に入れた焼酎文化の伝道師ぶりなど,焼酎への深い想い入れと造詣が披露されました。私は今までかなりの量の焼酎を摂取してきたはずですが,いまだに違いがよく分からないのが残念です。
 「各種部会だより」では「鹿児島市内科医会9月例会」で,本号の「学術」にご寄稿いただいた九州大学病院の安藤先生の睡眠時無呼吸症候群についての特別講演の様子が報告されました。
 「各種報告」では平成26年度の救急医療週間行事として医師・看護師研修会,市民講座,救急訓練などが行われ,それらの実施状況についてのご報告が担当理事の熊谷先生からありました。
 「鹿児島市医報」でも毎号,進捗状況が報告されてきた鹿児島市医師会館の建設工事が今月いよいよ竣工となり,12月には新会館がお披露目されるそうです。鹿児島市医師会は装いを新たにスタートし,加治屋町の歴史に新たな1ページを刻みます。

                                   (編集委員 森岡 康祐


                                              

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