緑陰随筆特集
「臨床検査技師等に関する法律」の一部改正と
「検体測定室に関するガイドライン」の制定について
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鹿児島市医師会の先生方におかれましては,ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。また,日頃から鹿児島県臨床検査技師会の運営に際しまして,心温かいご理解とご支援を賜り心から感謝申し上げます。
さて,先般,厚生労働省より検体測定室に関するガイドライン(平成26年4月1日より施行)について通知がありました。この通知の抜粋を下記に掲載します。
『この改正の趣旨は,利用者自らが採取した検体について民間事業者が血糖値や中性脂肪などの生化学的検査を行う事業(以下「検体測定事業」という。)については,診療の用に供する検体検査を伴わないことから,診療の用に供する検体検査の適正の確保という衛生検査所の登録制度の趣旨等を踏まえ,検体測定事業を行う施設について,衛生検査所の登録を不要とすることとしたものである。
他方,医師の診断を伴わない検体測定事業の結果のみをもって,利用者が健康であると誤解するといった事態も生じかねないため,利用者への健康診断の定期受診の勧奨を求めるとともに,血液に起因する感染症を防止する観点等から,適切な衛生管理や精度管理の在り方等の検体測定事業の実施に係る手続,留意点等を示したガイドライン(検体測定室に関するガイドライン)を別紙のとおり定めた。』
内容は薬局やドラッグストアなどで検体測定事業を実施する際の手続きや留意点などを示しており,特に医師の診断を伴わない検体測定の結果のみで利用者が健康だと誤解しないよう,利用者に健康診断の受診を促すことや,不適切な取り扱いによる血液に起因した感染症の発生の防止などに取り組むよう求めております。
このガイドラインを作成した理由として,1つには簡易検査を行う業者が増えていくことが予想されますが,衛生管理面が適切に行われず,簡易検査を契機に感染症が発生する恐れがある。2つめには検査機器の保守管理・精度管理が適切に行われないがために間違った検査結果が提供され,利用者の健康被害が発生する恐れがある,ことが上げられます。
この背景として,近年,健康志向の強い中,国民間での検査結果への関心が高まり,臨床検査においての肝機能・腎機能・糖代謝検査および生活習慣病などの検査項目の結果に対して関心を持ち,自らの生活習慣を見直してみるという社会現象も起きているからではないでしょうか。さらに,国民一人ひとりが自分の健康を管理するセルフディケーションを普及する狙いもあるのではないでしょうか。
また,臨床検査技師の将来として,医療技術の発達とともに多様化し,検査技術,検査機器に対応した幅広い知識と技術が求められると思われます。私は不変こそがリスクであると考えております。刻一刻と変わり続ける医療社会に,自らが変化し時代に置いていかれないように対応しなければなりません。そして,医師や看護師とのチーム医療を進めるには,それにふさわしい力量が必要でありますので,検査技師会員の専門性に磨きを掛けるために頑張ります。
おわりに,鹿児島市医師会の先生方の診療支援チームの一員として,しっかりと臨床検査技師の仕事をこなすことができるような技師会活動を行う所存でありますので,ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

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