随筆・その他

リレー随筆

勝手にサッカーW杯予想!・・・(答え合わせをお願いします)


北区・上町支部
(花倉病院) 倉野 裕

 また先輩からのお願いに,安請け合いしてしまった。この前,鹿児島県精神科病院協会雑誌の「リレー放談」を書いたばかりで,そのノリのままだった。その際は,誰も気には留めまいと,「将棋」をテーマに駄文を放った。今回のテーマは,何にしようと考えたが,人様にお見せできるような趣味はなく,人より秀でているものはゲームと漫画の知識くらいか。ちなみに漫画蔵書は,ほとんどPDF化しているが5,500冊に及ぶ。「オススメするマニアックな漫画ベスト10」という企画も考えたが,悪い意味で後世にのこる「リレー随筆」となりそうなので泣く泣く諦めた。
よく考えてみると今日は「2014年6月10日」,来週にはW杯が始まります。サッカー好きな自分に,今リレー随筆がまわってきたのも何かの縁と思い,思い切って「日本のサッカーW杯予想」をしてみることにしました。しかし問題なのは,この医報が刊行されるのは8月ということで,W杯の盛り上がりも一段落していることだと思います。よって完全な自己満足原稿になりますので,興味ない方は読み飛ばしてください。

初戦:コートジボワール戦
グループリーグ突破に関しては,W杯は何と言っても初戦です。初戦を勝てば85%でグループリーグ突破,負ければ突破率は9%というデータもあります。そして相手のコートジボワールですが・・・おそらくサッカーをあまり見ない人は,「アフリカで強いといえば,カメルーンとかガーナでしょ,あまり聞いたことないからいけるんじゃない」と思う人がいるかもしれません。しかしこのコートジボワール,メンバーだけ見ると,4年前の大会でウルグアイにPKで敗れて4強を逃したガーナなどよりはるかに強力なメンバーがそろい,優勝しても全くおかしくありません。ドログバは言わずとしれたレジェンドストライカーであり紹介も省きますが,最近ではスルーパスなども出せるような老獪さももってきました。そのスルーパスを受け取るのが,今年ローマで売りだした高速のジェルビーニョ,またチェルシーでは目立たなかったが,リールに移籍してこれまた爆発したあのカルーです。そして,何といってもトゥーレ・ヤヤ!。攻守ともに能力が必要なセンターミッドフィルダーに限っていえば,個人的にはユベントスのチリ代表ビダルと並んで,世界最高峰の選手と言えます。1人でボールを奪い,スルーパスを出して,またゴールも決めます。日本と対戦するのでなければ,ヤヤの超人プレーを存分に楽しみたいところです。他の好選手では,右SBのオーリエ,トゥールーズ所属ですが,何度もアーセナルなどのビッグクラブへの移籍の噂があります(左サイドで出てくる可能性もありますが)。他にも,ヤヤの兄リバプールのDFコロ・トゥーレ,中盤にニューカッスルのMFティオテなどタレントがそろうチームです。
試合を予想すると,長友とオーリエのマッチアップ,ボランチ山口はヤヤの対応に追われるといった展開になると思います。しかし日本が苦手とするアフリカンカウンターを防ぐことは難しく,ジェルビーニョやカルーの活躍により得点が動く試合になると思います。普通に考えると勝利は難しいと思います。ずばり,予想スコアは3-1か2-1で日本敗戦です。勝手な予想ですから文句は言わないでください。
勝つためには,「優勝が目標」とか言っている場合ではなく,初戦にトップコンディションをもってくることです。アフリカ勢はモチベーションを長期間維持することが難しく,調子の波があるため,コートジボワールが本当に優勝を狙っていて,油断していることを期待することです。本当に優勝を狙うチームは,初戦にコンディションを上げません。日本は現在,初戦にトップコンディションに近いところに持っていこうとしているようなので,期待はできます。前回は初戦にカメルーンに勝っているので苦手意識も少ないと思います。

第2戦:ギリシャ戦
 世間の解説者は,「ギリシャから勝ち点3を取ることが大切だ」などと言っていますが,ギリシャは今の代表チームが一番苦手とする堅守速攻チームです。去年10月に東欧遠征でセルビア,ベラルーシに2連敗しましたが,ギリシャはその2チームをさらに洗練化したチームです。固い守りから,トップに一発放り込んでくるチームです。トップのフルハム所属のミトログルは,イメージは「重戦車」と呼ばれたイタリアのビエリを彷彿とさせるところがあります。1人では止められません。また左ウイングには193cmの強くて早いセルティックスのサマラス。ギリシャは,とにかくトップにロングボールをいれれば何かが起きます。中盤には,ユーロを制したメンバーのカラグニスがまだ健在です。固い守備の要には,ドルトムントのパパスタソプロス(言いにくい)と今年のローマを支えた右SBのトロシディスがいます。
 試合の予想としては,おそらく日本のポゼッションが高く,アタッキングサードには侵入できますが,逆にカウンターで一発トップに放り込まれて失点,苦戦必至と思います。ずばり予想スコアは1-1,1-0などの接戦になると思われ日本に分が悪いです。
しかし,ここで勝ち点をとらないとグループリーグ突破はありません。ギリシャがやりたいサッカーをさせないために,ピッチを広く使い,逆に日本のショートカウンターが多くなれば芽がでてきます。GK西川を起用して,いったんGKまで返すようなプレイも有効と思います。

第3戦:コロンビア戦
3戦目は最新FIFAランキング堂々8位のコロンビア。南米予選ではアルゼンチンについで2位(ブラジルは予選免除)。ビダルようするチリや,カバーニ・スアレスといったモンスターコンビのウルグアイより上位なのです。怪我で欠場した,柿谷と大久保を足したような(割らない)FWフォルカオがW杯で見られないのは,残念でもありますが,日本にとっては幸運としか言いようがありません。それでも大会屈指のスルーパサー,ハメス・ロドリゲスの華麗なプレイは必見です。また長友と同僚のグアリン,セリアA屈指の快速フィオレンティーナのクアドラードなどコロンビアの強さは変わりません。コロンビアの強さは何といっても名将ペケルマンの存在。ザッケローニが監督になる際に,有力候補と言われた監督です。ペケルマンのチームはパスサッカーと「和」を大事にしますので,フォルカオの穴をうまく埋めてくると思います。コロンビアに善戦して,ペケルマンに日本チームのいい印象をもってもらって,いつか日本代表の監督になってもらいたいです。
試合予想としては,「3戦目」ということで,前の2試合の結果で,特にコロンビアはチームをガラっと変えてくることもありますので予想が立てにくいです。順当にいけば,コロンビアは2連勝,日本は2連敗といった可能性があるので,そうなればコロンビアはメンバーを落とし,日本は開き直っていい試合になると思います。パスサッカー相手では,日本は特に苦手意識はありません。コロンビア戦はいい試合になると個人的には思います。
ずばり予想スコアはこれらの流れを考えて3-2,2-1などの打ち合いになると思います。順当にいけば負けます。できればコロンビアには2連勝してもらい,日本は何としても勝ち点を最低1得ている状態で3戦目にいきたいです。打ち合いになると予想するのは,コロンビアDFコンビが30台半ばとやや高齢であるためです。2連勝していれば若いフレッシュなDFを入れてきて,コロンビアも守備が不安定になると思うからです。

・・・ということで結果としては,悲観的な予想が多いですが,皆さんがこの予想を見ている頃には,「全く外れているよ!」とせせら笑っていただきたいと思っています。
8月には,代表の活躍により日本にサッカーブームが再来していることを,自分も期待しています。
ガンバレ! ニッポン!


次号は,鹿児島大学医学部・歯学部附属病院の春日井基文先生のご執筆です。(編集委員会)




このサイトの文章、画像などを許可なく保存、転載する事を禁止します。
(C)Kagoshima City Medical Association 2014