さわやかな5月から蒸し暑さを覚える6月になりました。と同時に桜島が全く見えないほどの黄砂にも見舞われ,久しぶりに鹿児島に来た県外の友人ががっかりしていました。昔ははるか大陸からよくぞここまで飛んできたと感激していたのですが,今ではそれが馬鹿馬鹿しく,ましてやPM2.5まで振りまかれていると知らされ本当に迷惑千万な話だと憤っています。鹿児島に観光に来られた方々が,黄砂のせいで桜島に期待はずれの感想を持って帰らなければいいのですが。
さて今回の「誌上ギャラリー」では,田植え直後の変哲もない素朴な情景です。まさに根付くかどうかさえ危ぶまれるこのか細い稲が,青々と力強く成長して,終には黄金の稲穂を実らせ風に揺れる収穫の時を迎えるのだと改めて認識させられました。
「論説と話題」はプライマリ・ケア連合学会学術大会の報告です。医療サービスの機能強化と同時に,重点化・効率化が鮮明に謳われている今,国民のあらゆる健康上の問題,疾病に対して総合的・継続的・全人的に対応する地域の保健医療福祉機能としてのプライマリ・ケアの重要性は今後も増していくと思われます。
今回の「くすり一口メモ」は腎機能低下の患者さんへの糖尿病薬投与についてでした。いつも役に立つ情報をありがとうございます。
「学術」では医師会病院婦人科での腹腔鏡下手術の現況についてです。低侵襲手術は万人の望むところであり,今後も拡大発展し続けると思います。目下の課題はマンパワーの不足とのことです。どこかに鏡視下手術希望の医師はいないのでしょうか?
「刀圭会からのお知らせ」として夏季例会へのお誘いがあります。今回は『ななつ星 in 九州』についてJR九州鹿児島支社の方に講演していただくとのことです。こぞってご参加ください。
「医師会病院だより」は昨年9月に開設された緩和ケア科の紹介です。病棟が開設された9月に咲くコスモスの花言葉『真心』を胸に頑張っておられるとのことです。早く会員の先生方に周知徹底され,『緩和といえば医師会病院』となるように応援をお願いいたします。
「切手が語る医学」いつもありがとうございます。今回はギニア以外にギニアビサウという国もあることを教えていただきました。
鮫島先生の『徳之島の戦跡A』では,戦没者の方々への哀悼の想いそして平和を望まれるお気持ちを前号に続いて綴られています。そして将来の日本国民がどの道に進むのか,私たちがいかに生きるべきか心から心配してくださっていることが伝わってきました。
「リレー随筆」は富永雅孝先生の『極楽,地獄,そして・・・』です。予想外の展開で楽しく読ませていただくと同時に「あの世」について勉強させていただきました。
「鹿市医郷壇」はいつものことながら,その発想に感心し,吹き出しながら読ませていただいています。選者の方,またご投句してくださった方々ありがとうございました。
6月と言えば,もう今年の半分が終わろうとしているということです。もし今年成すべきことが決められているとすれば,半分近く遣り遂げていないといけないわけですが,私にはとてもそんな感覚はありません。これまで同様日々の仕事に追われているうちに,瞬く間に年の瀬を迎えてしまいそうです。『子どもの頃のように1年を長く感じられる方法』という特集を組んでみるのはいかがなものでしょうか。
(副編集委員長 熊谷 輝雄)

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