緑陰随筆特集

医療従事者として挨拶の重要性について
鹿児島県臨床検査技師会 会長 有村 義輝
 
 鹿児島市医師会の先生方におかれましては,ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。また,日頃から鹿児島県臨床検査技師会の運営に際しまして,心温かいご理解とご支援を賜り心から感謝申し上げます。
 さて,我々,臨床検査技師は,日常業務の中で知識と検査技術を磨き,日々スキルアップしております。さらに,我々の母体である日本臨床衛生検査技師会は,チーム医療の中において,臨床検査技師がどのようにかかわっていくべきか,学術組織の再構築を行っております。その一つとして,検査説明・相談のできる検査技師育成を上げております。直接,患者様に検査説明のできる技師と臨床医に検査結果を解析できる技師の育成であります。
 今回は,その患者様に検査説明できる技師である前に,患者様と直接お話する業務においてどのような点に注意すべきか,その心得として「挨拶の重要性」について述べさせていただきます。
 皆様もご存知と思いますが,挨拶とは「一挨一拶」の語源から来ているのだそうです。そして,挨拶が会話の基本であり始まりでもあります。そこで,我々,医療従事者も,仕事がいかに出来ても挨拶すら出来ないということでは良くありません。人として相手の気持ちを思い,挨拶さらにチームとして仕事をする上においては思いやりの気持ちが大事と思われます。職場内で挨拶をするということは,お互いがお互いを認知する行為であり,逆に挨拶をしないということはその職場は互いを認めない職場になります。
 何と言っても挨拶のいい病院は気分が良い!赤ちゃんからお年寄りまで,あらゆる年代の人々と同じ目線で向き合い接遇することが大事と思われます。挨拶で信頼関係を深め,医療従事者と患者様との間に良好な擦れ合いが生まれ,挨拶の心得をクリアして初めて患者様へ検査・説明できるのではないでしょうか。そして,そうすることで自然と患者様の心理的状態を把握することができ,検査説明する際,患者様の属性情報を考慮した説明の選択,また,検査結果が正常値の場合と異常値の場合とでは説明の入り方をも変えることができるのではと考えます。そして,日常においても数え切れないほど挨拶をいたしますが,挨拶とは,人と人とを心理的に結ぶ最愛の言葉ではないでしょうか。
 最後に,今後も職能技師としてしっかり医療現場に貢献できるよう検査説明・相談のできる臨床検査技師育成を目標に活動をいたしますので,ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。



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