鹿児島の7月の風物詩に「六月灯」があります。これから県内各地で催されますが,夕暮れに映える灯籠と夜店の明かりに彩られた祭りの賑わいが楽しみです。今年は六月灯を題材にした映画が鹿児島ロケで製作され全国に公開されますので,ひときわ盛り上がりを見せるのではないでしょうか。
「誌上ギャラリー」には涼しげな藺牟田池の風景を愛甲先生から頂きました。ラムサール条約に登録され,ベッコウトンボの生息地として学術的にも貴重な藺牟田池ですが,これからの季節は湖畔でのサイクリングや白鳥を眺めながらのボート遊びなども優雅で健康的ではないでしょうか。
国立病院機構鹿児島医療センター院長にご就任された花田先生からは,新たにスタートしたメディカルサポートセンターと心臓血管市民公開講座や,認定看護師の育成と増員,歯科口腔外科開設などの現況が紹介され,また腫瘍内科と救急医療部門充実の計画や将来の病院建て替え,高機能医療機関への方向性などが示されました。
この度,新会長にご就任された猪鹿倉先生はじめ新役員の先生方からご挨拶を頂きました。今後の市医師会の更なる発展にご活躍下さいますよう宜しくお願い申し上げます。また,3期を勤め上げられた鹿島前会長はじめ前役員の先生方にはこれまでの医師会運営における多大なるご尽力に心より感謝申し上げたいと思います。
「論説と話題」では市医師会会館建設実行委員会委員長であります有馬先生から4月と5月に開催された委員会での設計事務所選定の経過などが報告されました。新会館の設計ともなりますと外観,間取り,広さなど検討事項が山積することと拝察しますが,会員の意見と希望が十分に反映されたすばらしい新会館ができることを願います。
「医療トピックス」では従来の製剤ではコントロールが困難であったがん性疼痛に対して,切り替えで使用する新規経口オピオイド製剤について,中島先生からご紹介頂きました。がん性疼痛に苦しむ多くの患者さんの福音となることを期待します。
「学術」は日常診療で時々遭遇する眼瞼外傷について,僭越ながら私の経験を踏まえた臨床の実際を紹介させて頂きました。
古庄先生には今回も美しい絵柄の海外の珍しい切手をご紹介頂きました。救急処置そのものを描いた図柄など,本号でもたいへん興味深く拝見致しました。西橋先生のご寄稿では,ご静養を兼ねてご兄弟を訪ねた富山への旅先で,思いがけず出会った人々とのふれあいなど,心温まる体験が紀行記として綴られています。鮫島先生は串木野,荒川で蛍狩りをされたことから,かつて鹿児島市内でも蛍が日常的な風景として見られたことや,さらには蛍烏賊,夜光虫,土蛍などの発光生物との幻想的な体験にまで思いを巡らされています。
市立病院外科で研修中の西元先生から頂いた「リレー随筆」では,持ち前のガッツで外科医を志して現在は充実した外科修行の日々を過ごされ,将来の目標と希望に向かって奮闘されているご様子が伺われます。
「区・支部だより」では今年度最初の支部会と婦人部会が,和やかな雰囲気の中で開催されたことなどが報告されました。
「鹿市医郷壇」では多くの会員の投句を募集しています。私にはとてもハードルの高い薩摩郷句ですが,ぜひ挑戦してみたいと思います。
鬱陶しい梅雨の季節ももう少しで終わりますが,巷では空梅雨による水不足の心配が報道されています。台風や豪雨も困りますが,もうしばらくは雨中に咲き誇る紫陽花の風情を楽しみたいと思います。本格的な夏の到来に備えて,体調管理には気を付けて頂きたいと思います。
(編集委員 森岡 康祐)

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