天
清滝支部 鮫島爺児医
境内にゃ大て寄付順に氏名を奉っ
(けいだいにゃ ふて寄付順に なをまつっ)
(唱)真ん中所い探けた我が名
(唱)(まんなかどこい みしけたわがな)
高額の建築費を捻出するには、寄付は欠かせません。出来上がった建物の中には、寄付への感謝を込めて、寄付をした人の名前が板に書き込まれています。
それを見ると、誰がどれだけ寄付をしたかがわかり、その額に驚いたり、首をかしげたりと、それぞれに感じるところがあるようです。
地
城山古狸庵
こん次の選挙い出っか大か寄付
(こんつっの 選挙いでっか ふとか寄付)
(唱)根回しゃ良どんどうせ駄目じゃろ
(唱)(ねまわしゃえどん どうせぼっじゃろ)
ある人物が、多額の寄付をしたことが噂になり、聞きつけました。
巷の声は、選挙も近いし、きっとその一連の売名行為だろうと、冷ややかです。
その寄付が、得票に繋がるという胸算用であれば、他の善意の寄付を思うと、なぜか空しい気分になります。
人
紫南支部 宇宿ガサ医者
億ち寄付すい分限者い成ろごあっ
(おっち寄付 すいぶげんしゃい なろごあっ)
(唱)け死ん限いの心掛け次第
(唱)(けしんかぎいの 心掛けしで)
寄付を頼まれたり、呼び掛けに応じて、できる範囲で寄付をすることはあります。
一方では、資産があり、億の金額で寄付をしたという、奇特な人のニュースを聞くこともあります。唯唯驚くばかりで、そんな大きな社会貢献がしたいという、願望だけはある庶民ですが、中にはその夢を実現する立派な人もいることでしょう。
五客一席
城山古狸庵
人せえな出せた寄付よか大と語っ
(人せえな 出せた寄付よか ふとかたっ)
(唱)額じゃ無かどん煩せで大法螺
(唱)(がっじゃなかどん うるせでうぼら)
五客二席
清滝支部 鮫島爺児医
寄付言どん会費ひ似たよな義務もあっ
(寄付ちゅどん かいひにたよな 義務もあっ)
(唱)人並みこいも世間の交際
(唱)(人並みこいも 世間のつっけ)
五客三席
紫南支部 紫原ぢごろ
赤い羽根青い羽根ちゅて年中寄付
(赤い羽根 青い羽根ちゅて ねんじゅ寄付)
(唱)内心とな違ごが笑顔で渡てっ
(唱)(ねしゅとなちごが 笑顔でわてっ)
五客四席
霧島 木林
寄付すいが使われ方が良う解れじ
(寄付すいが つこわれ方が ゆうしれじ)
(唱)報告が無でいっもうやむや
(唱)(ほうこっがねで いっもうやむや)
五客五席
印南 本作
節税で儲けた金ぬば寄付をしっ
(節税で もけたぜんぬば 寄付をしっ)
(唱)心配いが誠て感心
(唱)(こころくばいが まこて感心)
秀 逸
清滝支部 鮫島爺児医
被災者にゃ善意の寄付が良か激励
(被災者にゃ 善意の寄付が よかはげみ)
甲子園想定外の寄付が要っ
(甲子園 想定外の 寄付がいっ)
城山古狸庵
甲子園寄付ん御礼は砂袋
(甲子園 寄付んごれいは 砂袋)
ほたい負け余った寄付で痛て頭
(ほたい負け 余った寄付で いてびんた)
紫南支部 紫原ぢごろ
寄付集め風体を見い見い財布を出っ
(寄付集め よすをみいみい ふぞをでっ)
相場どん詳しゅ調べっ寄付ん金
(相場どん くわしゅしらべっ 寄付んぜん)
霧島 木林
池ポチャも寄付じゃいが言て見栄を張っ
(池ポチャも 寄付じゃいがちゅて 見栄を張っ)
寄付依頼頼ん来た衆が違かごっ
(寄付依頼 たのん来たしが 違かごっ)
紫南支部 宇宿ガサ医者
寄付ずいも税金ぬ取い厳し国
(寄付ずいも 税金ぬとい いみしくん)
随分あろ使け道ちゃ謎ん義援金
(ずばっあろ つけみちゃ謎ん 義援金)
紫南支部 二軒茶屋電停
後輩が寄付ち来た時きゃ高楊枝
(後輩が 寄付ち来たときゃ 高楊枝)
作句教室
前号に引き続き、渋柿会の合同句集「たっばけ」に収められている作品の中から「焼酎に関わる句」を紹介します。
宴会てな下戸と音痴は隅み曲がっ
(のんかてな 下戸と音痴は すみ曲がっ)
樋口 一風
飲ん相談役者も揃っ直ぎ決まっ
(のんそうだん やっしゃもそろっ すぎきまっ)
日隈 英坊
女模合ビールじゃ足らじ焼酎も出っ
(おなごもえ ビールじゃたらじ そつもでっ)
樋之口墨矢
割勘じゃ飲放題で飲もち励いでっ
(わいかんじゃ のんほでのもち はまいでっ)
樋渡草団子
長ご振いで逢たち夜通し飲ん明けっ
(なごぶいで おたちよどおし のんあけっ)
福園 放電
飲ん疲れっ亭主ん六腑あ赤信号
(のんだれっ ととんろっぷあ あかしんご)
福冨 野人
只焼酎を今日も飲んけ来ただっきょ面
(ただじょつを きゅものんけ来た だっきょづら)
渕之上笹舟
黒ぢょかで桜島を肴い焼酎を飲っ
(黒ぢょかで しまをしおけい しょちゅをぬっ)
前田 一天
飲ん癖ん悪り爺の横座両方空っ
(のんぐせん わりじのよこざ まんぼえっ)
前村 泰山
内気な奴が焼酎ん勢でプロポーズ
(いめなとが しょうちゅんいっで プロポーズ)
松下 青雲
焼酎肴女房ん気分の皿ん数
(しょちゅしおけ かかん気分の 皿んかし)
丸山 満月
夫婦で差し猪口く傾くいよか正月
(みとでさし ちょくかたむくい よかしょがっ)
満留 ぐみ
午前様連立っ来た友達し吠ゆい女房
(ごぜんさあ てのっ来たどし ほゆいかか)
満吉 満秀
割勘ち腹一杯飲で吐っかぶっ
(わりかんち はらいっぺぬで はっかぶっ)
盛満 椒平
飲ん方があっ時きゃ仕事つ精出っ
(のんかたが あっときゃしごつ はめつけっ)
山路 野菊
もう一杯飲まんな女房けな抗こきらじ
(もういっぺ のまんなかけな むこきらじ)
吉岡 道場
焼酎好きな一升瓶ぬば先き据えっ
(しょちゅすきな いっしゅびんぬば さきすえっ)
吉丸セツ子
晩酌ん中途で飯じゃち厳し女房
(だいやめん つとでめしじゃち いみしかか)
米元 伝喜
三回にわたって掲載した五十五句の作品には、それぞれに味わいがあり、着眼やその情景の描写、言葉のリズム等を、作句の参考にしていただければ幸いです。
薩 摩 郷 句 募 集
◎6 号
題 吟 「 謎(なぞ)」
締 切 平成25年5月7日(火) ◎7 号
題 吟 「 悪口(あっご)」
締 切 平成25年6月5日(水)
◇選 者 永徳 天真
◇漢字のわからない時は、カナで書いて応募くだされば選者が適宜漢字をあててくださいます。
◇応募先 〒892-0846
鹿児島市加治屋町三番十号
鹿児島市医師会 『鹿児島市医報』 編集係
TEL 099-226-3737
FAX 099-225-6099
E-mail:ihou@city.kagoshima.med.or.jp |
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