=== 年頭のあいさつ ===
新 年 の ご 挨 拶 |
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あけましておめでとうございます。会員の皆様,ご家族,職員ともどもお元気に新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年,長期化している経済の低迷に対応できないまま,国政は混迷を深めました。この原稿を書いているのは11月末ですが,印刷されるころにはすでに新しい政権が誕生していることと思われます。どの政党もだらしない体たらくですが,しっかりした政権が確立していることを願わずにはおられません。昨年4月の診療報酬改定は,総医療費のプラス部分の一部は在宅医療の充実に向けられたものの,ほとんどは大病院へ移動したというのが実態で,診療所,中小病院にはプラス改定の効果はまったくなかったといえそうで,あいかわらず苦しい経営を余儀なくされています。
昨年11月23日に宮崎で開催された九州医師会連合の協議会では横倉義武日本医師会長の「中央情勢報告」の講演をお聞きしました。講演で述べられた日本医師会の活動方針を踏まえて九州医師会連合会総会の名の下に,宣言・決議が採択されましたが,決議としては,@国民皆保険の堅持,強化,A東日本大震災による被災地の早期復興,医療体制の再生,B社会保障の充実と質の高い医療・介護のための恒久的財源確保,C株式会社参入や混合診療の解禁に道を開くTPP(環太平洋連携協定)への不参加,D控除対象外消費税の解消,E地域医療の重要な担い手である准看護師の積極的養成等の諸点について政府に強く要請するというものでした。詳しくは鹿児島県医師会報に掲載されると思いますので,熟読されて,これらの声が新政権に届くようにしましょう。
衆議院議員選挙の候補者の推薦にあたっては少なくともこれらの項目についての政策協定書への署名をお願いしたいと思っております。日本医師連盟では特定の政党への協力はしない方針ですが,各地域の事情を踏まえて,候補者と政策協定を結んで推薦してほしいということでした。選挙は終わっても国民,国会議員,地方議会議員にこれらについての理解を深めてもらう努力を続けたいと思っています。いつか書きました「医政なくして医療なし」は今でも医師会活動の原点です。
足元の鹿児島市医師会の現状に話題を移します。昨年度は臨床検査センターの経営改善策を代議員会でご承認いただき,臨床検査センターは職員,施設を半減して再スタートいたしました。かなりの経営改善の効果は出ておりますが,減価償却を含めますといまだ黒字には達しておりません。クリニック開業の会員の砦として役に立っていると自負しています。かつて医療経営が今ほど苦しくなく,医療資源も乏しかった時代には看護専門学校,臨床検査センターともに会員の共同利用施設として重要な働きをしてきました。廃止に至った看護専門学校の轍を踏まないように,臨床検査センターの経営安定にご協力ください。
臨床検査センターの改革,新しい公益法人としての出発を果たした鹿児島市医師会の現下の最重要課題は,医師会病院の経営安定化です。会員からの紹介患者の減少,かたや大学医局に頼っていた医師の供給が不足し,少なくなった医師の多忙が重なり,小児救急医療拠点病院としての補助金停止もあり,昨年はかなりの経営不振に陥りました。入院患者数の増は喫緊の課題です。病院長,会長の任期が短く,長期にわたって持続して経営の責任を負うことができなかったこと,医師給与が低く抑えられてきたこと,かつ現場で働く医師の意向が運営に十分生かせなかった従来のシステム等,多くの反省点が残されています。職員,役員ともども経営改善にまい進したいと思っています。長期ビジョン,今後の建て替えを考えると抜本的な改革が必要です。長期の展望についても,現場の職員を中心にしたプロジェクト・チームの立ち上げが必要と考えています。
鹿児島市医師会は昨年4月に新法人制度による「公益社団法人」として出発しました。今年4月には日本医師会,鹿児島県医師会が公益社団法人としてスタートする予定になっています。日本医師会,鹿児島県医師会の役員,代議員等の任期は今までと同様に2年(監事は4年)であり,今までの慣例に従うと,役員の選出は郡市医師会,県医師会,日本医師会の順番で実施することが求められます。日本医師会の定時代議員会は6月最後の週末が予定されています。これらを考慮すると,鹿児島市医師会では今年の6月上旬までには役員選挙を実施しなければなりません。今までの慣例を守ると,4月早々には,新法人制度で初めての代議員による役員選挙を実施することになります。会員の総意を踏まえた良識ある選挙が行われ,新しい執行部によって健全な医師会運営が行われることを祈ります。そのためには何よりも会員の皆様の医師会への関心,協力が必須です。支部会,区会への出席もお願いいたします。
新しい年が日本の社会に,日本の医療に,そして鹿児島市医師会の発展,皆様の施設,職員,ご家族に幸せな1年となることをお祈りしつつ新年のご挨拶といたします。

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