編集後記


 ロンドン五輪も無事終了しました。今大会は個人よりも団体でのメダル獲得が目立ち,日本の総獲得数が史上最多の38個とのこと。寝不足気味で応援した甲斐がありました。一方では目に余る誤審や無気力試合なども指摘され,今後の課題として残りました。次回のリオでは少しは改善されているといいですね。
 今月の「誌上ギャラリー」は“待ちに待った夏がやっときた!”と題しての一枚です。夏休みを迎えた子供たちの楽しそうな嬌声が聞こえてくるようで,夏の暑さを感じながらも元気がもらえますね。
 「論説と話題」では第44回九州地区医師会共同利用施設連絡協議会の報告をいただきました。各医師会が地域の実情に即した多くの問題を抱え,改善のために様々な取り組みを行っているようです。年々増加傾向にある心臓病救急医療に備えてのモービルCCUの導入計画,電子カルテ導入時のランニングコスト削減の工夫等々,鹿児島市医師会の施設でも今後の運営に大変参考になる報告が多かったようです。
 特別講演では勤務医として多忙な傍ら,作家としても活躍されている石黒 耀先生に“あまり知られていない九州の巨大火山災害”と題しまして実際に起こり得る火山災害への警鐘と対策についてお話しいただきました。火山災害=降灰との認識が強い私たちにとって本当の意味での火山災害の規模の大きさ・恐ろしさを改めて考えさせられました。
 牧先生より日本医師会第8回男女共同参画フォーラムのご報告をいただきました。ワークライフバランスを保つための職場環境の整備には,男女間のみならず医療機関を含めた組織・社会の意識改革が必要とのこと。余裕のある環境づくりを目指して協力していきたいと思います。
 「医療トピックス」では野間口先生から“適応にはない抗菌薬の使用事例”をご紹介いただきました。日常診療でも多く経験することですので是非参考にさせていただきます。
 「学術」では鶴川先生に大動脈弁閉鎖不全症の手術適応決定と術後の心機能・運動耐用能の評価に心肺運動負荷試験を用いて検討した症例をご報告いただきました。ありがとうございました。
 「随筆・その他」では5人の先生方にご寄稿いただきました。古庄先生からは【エイズに関する切手シリーズF】が紹介されています。いつもテーマに即した珍しい切手のご供覧ありがとうございます。内山先生の“認知症と文化”では,敬老精神にのっとった受容が周辺症状の発現を減少させ,認知症老人の尊厳を保つ社会環境の構築を可能にするという一文,考えさせられました。鮫島先生の“日本列島縦断の記〜トワイライトの旅〜”は鹿児島を出発して北陸から日本海側を抜けて札幌までの列車での旅行記です。きれいな写真も掲載されていましたが,実際に見てみたい風景です。植松先生の“夏の終わりに”では晩夏を髣髴とさせるさまざまな事柄についてのお話でした。竹元先生のリレー随筆“私のパチンコ人生”は少しマニアックな面もありましたが,昔なつかしい手動台から現在のデジタル機までの幅広い内容は,ほとんど素人の私にはとても勉強になりました。
 「鹿市医郷壇」9号の題吟は「考げ(かんげ)」でした。いつも楽しい作品のご投稿ありがとうございます。
 朝晩は大分涼しくなってはきましたが,まだまだ残暑の続く毎日です。日常診療でも熱中症・脱水症の患者さんは少なくなりましたが,まだちらほらと見受けられます。夏バテというものは今頃から出だすものです。先生方も日頃の体調管理にはお気をつけください。

                                    (編集委員 寺口 博幸

                                              

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