=== 新春随筆 ===
必要とされる検査室を目指して
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昨年の悲しい大震災から,遠き鹿児島の地で復興を祈るだけの日々があっという間に過ぎ,2012年の新たな年を迎えました。鹿児島県臨床検査技師会としましても新たな気持ちで精進する決意であります。
鹿児島市医師会の先生方におかれましては,昨年も鹿児島県臨床検査技師会の運営に心温かいご理解とご支援を賜り心から感謝申し上げます。
前回,これからの臨床検査技師のあり方について,臨床検査技師は検査結果を提出するだけでなく,共有化できるデータを維持,管理することで技師の存在を明確にすること,また,医療の高度化・専門化に対応するための医療政策であるチーム医療への参加が必要であること等書きました。今回は,さらに深くほりさげ「必要とされる検査室を目指して」と題して記載いたします。
近年,健康志向の強い中,国民間での検査への関心が高まり,臨床検査においての肝機能・腎機能・糖代謝検査および生活習慣病などの検査項目の結果に対して,自らの生活習慣を見直してみるという社会現象も起きています。
そこで,医療に掛かる費用は削減され,逆に,良質な医療が求められる。この矛盾した医療社会に対して,我々,臨床検査技師は,日常業務の中で知識と検査技術を磨きながらスキルアップし,その情報を継承しながら,信頼され頼りにされるコメディカルでありたいと願うところです。また,医療施設における検査業務をいかに活力あるものにするかは「検査室運用のデザイン」を行うことが重要であります。
具体的には,まず院内検査の必要性および年度の運用計画・コスト削減など,常に経営的側面からも,収益アップを考えていかなければなりません。次に,検査機器の導入方法として減価償却年数やリース等など明確に保守料・試薬代を見極めることです。また,院内検査項目数と検査人員数との整合性により,無駄な人員削減や外注項目移行といった合理化を考えなければなりません。さらに,チーム医療の中で診療部との連携が重視されますので,緊急性の高い検査項目(特に感染症項目等)においては,全て迅速対応(院内検査必須)を行わなければなりません。また,医療安全対策における臨床検査部門の責務も増加している中,インシデント発生の対策,その改善点の評価などきめ細かい安全対策を実施し,働きやすい職場環境を構築しなければ収益アップにつながりません。
最後に,技師会活動に携わる一人として,まずは地域・地方の活動に自らが積極的に参加し,各地区との連携作りを行い,「本気・やる気・元気」の場として,県内外に広く情報発信できる技師会活動を導いてまいりたいと思っております。
今後とも鹿児島県臨床検査技師会に対してご指導・ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

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