=== 新春随筆 ===

       年男・辰年生まれの弁
(S15年生)



西区・武岡支部
(島田内科)
 島田 紘一

 「竜」の字が「龍」より古いことを知った。漢字のルーツである甲骨文字にある。
 紀元前1384年頃の文字が,安陽殷墟で発掘されたのが,125年ほど前のことらしい。欧陽直系44代目で甲骨文字の学者・欧陽可亮氏から昭和60年に便りを戴いていた。私にとっては珍品と思い保存していた。
 「前門の虎,後門の狼」を禅の世界では,「前門の虎,後門の龍」と言っているらしい。身の引き締まる言葉を知るのが,晩年とは情けないが知らないよりはよかろう。
 辰年生まれなので,茶道具にも龍の形の香合とか,龍の字を含む軸とか,龍の絵のある茶碗とかを意識的に求めていた。
 知らず知らずの内に,龍に目が行っていた。日本文化の特殊性のお陰で,我が人生も楽しく色付けが出来たように思う。
 神社仏閣を訪れては内願成就を祈り,龍の彫り物とか龍の絵に目が行き,旧跡では龍がらみを写真に撮っていたので,今回の寄稿依頼にはこれで応じたい。
 インターンの時代を京都で過ごした。珍しくて寺を巡り歩いたが,天龍寺では疲れて襖の陰で昼寝をしたことも数回あった。寺僧は大目に見てくれていた大らかな時代であった。

 
写真 1 台明寺跡
(霧島市国分台明寺柿ヶ迫)

写真 2 鹿児島神宮
(霧島市隼人町内)

写真 3 枚聞神社
(指宿市開聞十町)

写真 4 東福寺城跡
(鹿児島市清水町)

写真 5 三宅神社
(宮崎県西都市大字三宅)

写真 6 黒貫寺[くろぬきじ]
(宮崎県西都市岩爪)

写真 7 法華嶽薬師寺
(宮崎県東諸県郡国富町深年)

写真 8 萬福寺
(宮崎県東諸県郡国富町本庄)

写真 9 二上神社
(宮崎県西臼杵郡高千穂町押方)

写真10 鵜戸[うど]神社
(宮崎県日南市大字宮浦)

写真11 早吸日女[はやすいひめ]神社
(大分県大分市大字佐賀関)

写真12 西寒多[ささむた]神社
(大分県大分市寒田)

写真13 柞原[ゆすはら]八幡宮
(大分県大分市大字八幡)

写真14 普光寺[ふこうじ]
(大分県豊後大野市)

写真15 籾山[もみやま]八幡社
(大分県竹田市直入町長湯)

写真16 直入中臣[なほりなかとみ]神社
(大分県由布市庄内町阿蘇野)

写真17 大慈寺
(熊本県熊本市野田一丁目)

写真18 国造[こくぞう]神社
(熊本県阿蘇市一の宮町手野)

写真19 阿蘇神社
(熊本県阿蘇市一の宮町宮地)

写真20 井口[いのくち]八幡神社
(熊本県人吉市井ノ口町)

写真21 伊万里神社
(佐賀県伊万里市立花町)

写真22 英彦山[ひこさん]神宮
(福岡県田川郡添田町)

写真23 大中臣[おおなかとみ]神社
(福岡県小郡市福重)

写真24 玉雲山龍昌寺
(福岡県遠賀郡岡垣町)

写真25 老松神社
(福岡県糸島市高来寺)

写真26 桜井神社・岩戸宮
(福岡県糸島市志摩桜井)

写真27 恵蘇[えそ]八幡宮
(福岡県朝倉市山田)

写真28 天龍寺
(京都府京都市右京区
嵯峨天竜寺芒ノ馬場町)




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