誌上ギャラリー

立 神 岩 夕 景

東区・紫南支部
(鹿児島市医師会病院)

 山口 淳正


           鹿児島県枕崎市

 立神岩と呼ばれる岩は,日本各地の海岸で見ることができます。枕崎市の立神岩は火之神公園から海を臨むと正面に見えます。ここからみると高さ42メートルの岩が,天を指し示しているような形に見えて,枕崎市のシンボル的な存在になっています。
 しかし,この写真のように夕日と対比して見える場所は,市内よりやや頴娃町の方に行った町外れの高台にあります。
 立神岩は,枕崎岬の航海安全と大漁満船を祈願した守護神として崇められていると言われています。海と川を支配する神々の中に,速秋津日子神と妹速秋津比売神の二神がおられて,この神々は山立神(立神岩の手前の地続きの岬)と立神岩との間を流れる早瀬のような所で人間の罪けがれを洗い流し,祓い清めるみそぎはらいの役目をしていたと言われています。明治42年頃まで建てられていた立神神社の祭神はこの二神で,御神体は大岩様といって立神岩と火の神一帯を神の棲み給う聖域として崇拝したものと言われています。
 この立神岩と夕日がうまい具合に並んでくれるのは冬至の頃だと言われ,小生も何回か通いました。この時期は夕暮れになると海の上に雲がたなびき夕日を水面まで追うことが非常に難しく,今回漸くなんとか捉えることが出来ました。


カメラ:EOS 5D レンズ300mmx2 F2.8 1/500 7.1 ベルボン三脚使用





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