=== 随筆・その他 ===
最近の女の子の名前に異変が
|
|
南区・谷山支部
(東開内科クリニック) 植松 俊昭
|
|
近来日本には,女の子に「○子」と名付ける傾向があり,我々と同世代の女性もそれが多数派のようです。
「子」は子年(ねどし)の子(ね),つまりネズミを意味するとのこと。「ネズミ算」と言うように,ネズミの繁殖力はすごいものです。そのネズミにあやかりたいと,子孫繁栄を願って,親は名付けたのでしょう。
ちなみに皇室方の女性の名前はすべて「○子」。美智子皇后,雅子妃殿下,愛子様,紀子様,華子様,かつて朝鮮の李王家に嫁がれた方子様などなど。さらには臣籍降嫁された池田厚子さん,島津貴子さん,黒田清子さんしかり。これも我が国の長久発展を願っての皇室のゆかしき伝統と思われます。
なにせ,この地は古来より言霊(ことだま)の幸(さきは)ふ国ですから。
そういえば,そのかみ,紫式部と清少納言が仕えた中宮の名も,それぞれ彰子(しょうし),定子(ていし)でした。
しかし近年,その女の子の名前に異変がみられるようです。つまり「子」のつく名前が非常に少なくなっており,一見国籍不明ともとれる名前も目につきます。念のため,校医をしている小学校で調べたところ,全校女子児童402人中,名前に「子」がついていたのは,何とわずか26人でした。按じますに,これは近年問題視されている少子化と何か関連があるのかも知れません。
つまり,親が潜在意識的に子孫繁栄を願っていない証左なのではとも受け取れます。
ついでながら,昔は遊女の源氏名に「子」をつける慣習はなかったようです。身ごもったら困るとの験担(げんかつ)ぎでしょう。
ついては,この少子化をくい止める一案として,「兎子」もしくは「卯子」と名付けるってのはいかがでしょう。
ウサギ(兎,卯)もネズミ(子)同様,その繁殖力は極めて旺盛ですから。
でも多分ボツでしょうね,キット。ダッサイもの。

|
|
このサイトの文章、画像などを許可なく保存、転載する事を禁止します。
(C)Kagoshima City Medical Association 2011 |