随筆・その他

リレー随筆

撞 球 道 楽

東区・郡元支部
(なかむら内科病院)
              中村 俊博
対戦相手の I 氏

自慢?のキューコレクション

 25年ほど前に,トム・クルーズが主演の「ハスラー2」という映画がヒットしました。その映画の影響でビリヤードがブームとなり,当時まだ学生だった私もよくビリヤード場(当時はプールバーと呼ばれていたような…,同年代の先生方懐かしいですね)に通ったものでした。その後医者になりビリヤードのことなどすっかり忘れていましたが,10年ほど前にたまたまビリヤード場に行ったのがきっかけで再びハスラー魂(決して賭けてはいませんが)に火が付きました。それまではゴルフもやっていたのですが,ゴルフは休日しか行けず,また一日時間を使ってしまいます。それに比べればビリヤードは平日でもちょこっと行って遊べる手軽さがあります。もちろんゴルフが上達しなかったこともありますが,今ではゴルフは全くやらず週に数回のビリヤード場通いの日々を送っています。
 ビリヤードを始めた当時は初心者で当然上手くありませんでしたが,それでも1年もすれば上達して飽きてしまうだろうと考えていました。しかし,いざやり出すとこれがなかなか難しいものでした。
 みなさん一度くらいはビリヤードをしたことがあるのではと思いますが,ここでビリヤードについて基本的なことを紹介させていただきます。以下はウィキペディアよりの抜粋です。

概 要
 ビリヤードとは,ラシャと呼ばれる布を張ったテーブル上で「キュー」と呼ばれる棒を使い,静止している球を撞き,別の球に衝突させてそれらの球が起こすアクションを自分の思い通りにコントロールしようとすることを目的とした競技である。他の多くの球技と異なる点は,体力の優劣,年齢によって勝敗が左右される要素が少ないことであり,そのため子供から年配者まで幅広い年齢層のプレイヤーが楽しむことができる。また各プレイヤーの実力に合わせて適切なハンデを振ることにより,初級者からプロまでが同じテーブルで直接対戦することができる。
 ビリヤードは常に一人でテーブルへ向かってプレイを行い,静止した球を撞く。そのため対戦相手と直接球を撞き合うことはなく,ショットの成否は全て自らのプレイによる結果となる。また,体格や体力において優れていれば必ず勝てるとは言えず,技術の熟練度やプレッシャーに負けない精神力,集中力を備えているほうがよい結果を残すことが多い。技術の緻密さ,ゲームを有利に進めるための戦術を競う競技であることから,メンタルスポーツのひとつとされる。

ビリヤードの起源
 ビリヤードの起源については諸説あり,中国,イタリア,フランス,イギリス,スペインのいずれかで発明されたとされる。かつてはビリヤードは「ベルメル」と呼ばれており,中近東から戻った十字軍兵士がベルメルをヨーロッパへ持ち込んだとする説もある。スペインでは「ビロルダ」というスティックでボールを転がし,2本のポールの間に入れて競技されるものが「ビラルダ」を経て,最終的に「ビリヤード」になった。
 1469年,世界初のビリヤードテーブルはルイ11世のために作られた。そのビリヤードテーブルは石版にクロスが敷かれ,真ん中にひとつだけ球を落とす穴があるものだった。
 なお,ビリヤードから派生・分化したゲームとしてはバガテル,ピンボール,スマートボール,アレンジボール,パチンコなどが存在する。

ビリヤードの分類
 ビリヤードは使用するテーブルの形状によって大きくキャロム競技とポケット競技に分けられ,それぞれによって使用する道具等が若干異なる。主にイギリスを中心とした旧英連邦諸国において人気が高い競技のスヌーカーもテーブルにポケットがあり,ポケット競技に含められることもあるが,テーブル表面積が2倍近くあり,使用するボールが小さく,目の付いたラシャによりボールが自然とカーブするなど競技特性が異なること,ボールをポケットへ落とすことだけではなく,相手にボールを落とすチャンスを与えないセーフティープレーにより相手のファールを誘って点数を得ることも重要な戦略となっているなど,そのゲーム性は大きく異なるためポケット・ビリヤードとは別競技として扱われる場合が多い。
 ビリヤード
 キャロムビリヤード
 ポケット・ビリヤード
 スヌーカー
 これらの競技はいずれもキューを用いて行われるスポーツであることから,キュースポーツ(Cue Sport)とも呼ばれている。

器具と用語の解説
○テーブル
 ビリヤードをプレイするための台のことをビリヤードテーブル,あるいはそのまま単に台と呼ぶ。テーブルの台座部分は主にスレートと呼ばれる石板やその代用品でできており,ラシャ(羅紗,クロスとも呼ぶ)と呼ばれる柔らかい専用の布でその表面が覆われている。
 ポケット競技やスヌーカーで使用されるテーブルには四隅と長辺の真ん中の合計6箇所に「ポケット」と呼ばれる穴が開けられており,ボールがそこへ入ると落ちるようになっている。このような台をポケットテーブルと呼ぶ。一方,キャロム競技に使用されるポケットのないテーブルをキャロムテーブルと呼ぶ。ポケットテーブル,キャロムテーブル共にそれぞれの競技によって大きさの違うテーブルが存在する。なお,スヌーカー競技用のテーブルをスヌーカーテーブルと言って呼び分ける場合もある。
○ボール
手球

 プレイヤーがキューで撞く球を手球又はキューボール(cue ball)と呼ぶ。手球の色は競技によって異なるが,概ね白やクリーム色をしている。
的球
 手球を転がして狙い当てようとするボールを的球,オブジェクト・ボール(object ball)と呼ぶ。的球は手球と区別しやすいように,手球とは異なる色に着色されている。白色の手球に対して様々な色に着色されていることからカラーボールと呼ぶこともある。ポケット競技で使われる的球には通常,表裏の対極となる2箇所に1から15までの番号が描かれているが,キャロム競技やスヌーカーで使用される的球には番号は描かれていない。

 以上,ビリヤードについての基本的な知識を書きましたが私がやっているのはポケット・ビリヤードです。ポケット・ビリヤードといっても様々なゲームがあり,代表的なものとしてはエイトボール,ナインボール,ローテーション,14-1ラックなどがあります。その中でも最もポピュラーなナインボールが主に私がプレイしているゲームです。ゲームのルールは単純で,1番から9番までの的玉と手玉を用います。はじめにラックと呼ばれる枠に9個の的玉を並べブレイクショットでそれを割ります。その後,手玉を撞いて1番から順に落として行くというものです。途中でミスしたら相手と交代です。そうして最後に9番ボールを落としたほうが勝ちという単純なルールです。
 ところが実際にやってみるとこれが意外と難しいもので,始めた当初はまず手玉を真っ直ぐに撞くことができず,当然狙った所にボールは向かわないのでボールを一つポケットする(穴に落とすこと)のもままならない状態でした。更に連続してポケットするためには,的玉を入れると同時に手玉の止まる場所をコントロールして次のボールを狙いやすい位置に持ってこなくてはなりません。これを「ネクスト(略してネキ)」または「ポジション」と言いますが,連続して3個4個とポケットするためには,予めどのようにポケットしポジションを出すかイメージしてから撞かなくてはならないのです。そのためには手玉の真ん中を撞くだけでは無く中心より上を撞いたり(押し玉),逆に下を撞いたり(引き玉),更には右や左を撞いて手玉にスピンを掛けなければなりません。この手玉を撞くポイントのことを撞点と言いますが,この撞点とキューを出すスピードやキューの向き等を調整し(ストローク),自分のイメージした所に手玉をコントロールします(実際にはなかなかできないのですが)。
 ゴルフをされる先生は多いと思いますが,静止している玉を打つという点ではビリヤードとゴルフは共通点が多いように感じます。どんな玉を打つかイメージしそれを実行する,または実行しようとするという点は両者同じではないでしょうか。感覚としてはパットをずっとやり続けていると思って頂けるといいかなと思います。余談ですが,イギリスで主にプレイされているスヌーカーというゲームの最高得点147点(ワンフォーティセブン)を達成するのはゴルフのホールインワンより難しいと言われており,公式戦では3,000万円ほどの賞金が出ると聞いたことがあります。
 医療関係の方でビリヤードをされる方はごく少数だと思いますが,逆に普段お話しする機会の無い方たちと知り合いになれるという点はビリヤードをやっていてよかったなと思います。この年になって職業も年齢も違う人と一対一で勝負する機会など滅多にないことと思います。自分の半分くらいの年齢の子にコテンパンにやられて甚くプライドを傷つけられることもよくあります(表面上は紳士的に振る舞っていますが…)。
 私の行きつけのビリヤード場には建築関係,不動産,飲食店,銀行,役所,代議士秘書,よくわからない人,その他いろいろな方が来られます。その方々との雑談の中で世の中のいろいろな情報を得られるのも楽しみのひとつです。
 ビリヤードを始めて10年が過ぎました。地道な?練習の成果か技術的には上達しましたが,前述のようにビリヤードはメンタルスポーツです。残念ながら集中力,精神力,正確性,どれをとっても自分はビリヤードに向いていないように思われます。おまけに老眼も進んでおり,これ以上の上達は無いかもしれません。しかし,まだ上手くなれると自分に言い聞かせてこれからもやり続けたいと考えています。
 問わず語りと言いますか,ほとんど意味の無い文章になりましたが(コピペが多くてすみません),最後に昔与◯郎や◯◯野郎で撞いていた先生方,たまには玉突きでも如何でしょうか?
 
次回は,放射線科内科池田診療所の池田耕治先生のご執筆です。(編集委員会)




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