誌上ギャラリー



東区・紫南支部
(鹿児島市医師会病院)

 山口 淳正


           鹿児島県鹿児島市

 7月も末になりますと,かつて学んだ学舎のあった鶴丸城のお堀の蓮も種をつけてきます。此処で学生時代を過ごした昭和40年から昭和44年の間は,蓮の花をまじまじと見た記憶がありません。このころから写真に興味があってモノクロで撮影はしておりましたが,当時の世相(安保改定が近づき沖縄問題,大学問題などで一部の民衆,学生の政治活動が過激化)を反映してか綺麗な花よりは,花も幹も枯れ,さびしげに不規則に並んだ幹の線を撮影した覚えがあります。まだ20代前半の学生の心を捉えたのは寂しげな風景だったのでしょう。あるいは心情的な成長が未完成だったのかも知れません。
 蓮の花の話に戻します。最近ここの花は綺麗に咲くことが多いのですが,主役の花は見つかっても脇役や絵になる背景を探すのに苦労します。蓮の花は,故事に「蓮は泥より出でて泥に染まらず」とも言われ清らかさや聖性の象徴として称えられることが多かったようです。今回は蓮の実を脇役に使ってみました。蓮の実は,精進料理に欠かせない食材の一つで,薬膳スープ・中華ちまき・月餅・アン・甘露煮などに多く用いられるそうです。これを食すると仙人になれるといわれています。


カメラ:EOS5D レンズEF35-350mm 3.5-5.6L US 絞り5.0
シャッタースピード1/250 露出補正-2/3 ISO感度16006





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