=== 論説と話題 ===

平成22年度桜島火山爆発総合防災訓練


救急医療担当理事
            松田 剛正
日 時:平成23年1月12日 午前9時10分


防災訓練の風景


場 所:鹿児島駅会場
参加者:松田剛正・年永隆一理事,医師会事務局

 桜島の大爆発及び震度6弱の地震災害を想定した桜島火山爆発総合防災訓練(鹿児島市,鹿児島県主催)が桜島側は桜島クロマツ親水公園で,鹿児島市側は鹿児島駅会場を中心に行われた。
 災害対策基本法及び鹿児島県地域防災計画(桜島爆発災害対策細部計画)の定めに基づき,各種の災害応急対策が迅速,適切に行われるよう防災体制の確立を図り,併せて市民・県民の防災意識の高揚を図ることを目的としている。
 鹿児島市消防局,鹿児島県警察本部,自衛隊,第十管区海上保安本部など128機関及び住民ら約4,500人が参加した。
 今年は「桜島が山腹から大爆発を起こし,噴石,火災,崖崩れ,火砕流が発生し約300戸の家屋が焼失。また,鹿児島湾を震源とする震度6弱の地震が発生し,鹿児島市街地でも多くの家屋が倒壊,消失した。」という想定のもと,災害対策の手順が確認された。
 情報連絡・伝達訓練,放送要請訓練,情報収集訓練等に始まり,消防,警察,自衛隊などによる住民の避難誘導訓練,ヘリコプターによる溺者救助訓練,捜索救助犬による被災者捜索訓練,電気,ガス,水道など応急措置・復旧訓練等の訓練が行われた。
 鹿児島市医師会は鹿児島駅会場において,午前10時から合同救出救護訓練に参加した。
 鹿児島市立病院・鹿児島徳洲会病院DMATは自衛隊,警察,消防隊とともに倒壊家屋内へ進入,救出前の仮想負傷者に対して応急処置を実施したのち家屋外へ搬出した。
 医師会救護班は日本赤十字社鹿児島県支部,鹿児島市立病院とともに応急救護所を開設。救出・搬入された仮想負傷者のトリアージ,応急処置等を実施し,救急車にて搬送訓練も実施され,午前10時25分に無事終了した。
 昨年,桜島の噴火は1026回発生し,その内,爆発的噴火が896回を数えた。いずれも昭和火口からの噴火で,南岳山頂火口では記録のある1950年2月以降初めて年間を通じて噴火がなかったとのことである。
 今後も活発な活動が予想され,いつかは大噴火に見舞われることが予想されるため,継続した訓練の実施,普段からの関係機関との連携作りが重要であろう。




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