=== 年頭のあいさつ ===

いま 看護職の魅力を高めるとき
鹿児島県看護協会 会長

     秋 葉 公 子
 謹んで新年のお慶びを申し上げます。
 平素より,当県協会事業運営には多大なるご協力,ご支援を賜り厚く感謝申し上げます。
 日本看護協会は,重点事業の一つとして「安全で効果的な医療提供に向けた看護職の業務範囲の見直し・拡大」を挙げています。これは特定看護師(仮称)に限らず,より良い医療提供に資するような看護職全般の業務のあり方を検討するものであります。特定看護師(仮称)については,昨年3月厚生労働省の「チーム医療の推進に関する検討会報告書」において,「専門的な臨床実践能力を有する看護師が,医師の包括的指示を受けて,従来一般的には看護師が実施できないとされてきた医行為を幅広く実施できるために構築する新たな枠組み」として提言されたもので,初めて出てきた言葉であります。検討会で議論されてきた,グレーゾーンの医行為を看護師が不安を抱えつつ行っている実態なども踏まえ,また能力を保証するための教育水準を担保するためにも,行える行為の種類と特定看護師(仮称)の資格要因について法律に明確に規定することが必要であると考えられています。この仕組みは,医療のニーズに対応する為に,一刻も早く,かつ十分な安全性の下で行われることが求められています。
 少子・超高齢社会・多死時代の到来を目前に,いま,看護職が魅力を高めるために確認しておかなければならないことは,@今もこれからも高いレベルの看護が求められ,その中で「特定の医行為」を行っていること,A患者の身体的状態や療養生活の状況を適切に判断し,予測でき,新たな事態に対処できること,B患者のニーズに基づき,QOL(生活の質)を高めるための看護であること,C何よりも患者・家族が「安心できる医療」であること等は,日頃の研鑽や新たな枠組みの教育を通して努力・創建して行かなければなりません。
 日本看護協会は,看護実践の質の向上を目指し,「専門看護師」,「認定看護師」,「認定看護管理者」の教育と認定を行って参りました。専門看護師には,「がん看護」など10の分野があり,2010年4月現在,全国で451人が登録されています。残念ながら鹿児島県の登録者はいません。認定看護師には21の分野があり,2009年4月現在5,794人の登録がなされ,鹿児島県は,「皮膚・排泄ケア」の15人を筆頭に15分野77人が活躍しています。認定看護管理者は,2010年4月現在,951人の登録者のうち10人が鹿児島県です。認定看護管理者制度の教育は,ファーストレベル,セカンドレベル,サードレベルの3段階あり,当協会ではサードレベルの教育は行っていませんが,県内ほとんどの病院の看護部長,看護師長がファースト・セカンド教育の修了者であり,スタッフのロールモデルとなっています。これらの有資格者や管理教育修了者の活動が大きな力となり,看護の魅力を発揮し,県内の看護の質を高めて県民の生活と健康を支援して参ります。
 最後になりましたが,貴医師会のご発展・ご活躍を祈念して,新年の挨拶といたします。




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