2010年10月20日,奄美地方は1日に600mmを超える大雨におそわれました。まるで鹿児島の8・6災害を思い起こさせます。3人の方が亡くなり,まだ多くの方が避難生活を続けていらっしゃるとのこと,お悔やみ,お見舞い申し上げます。2年ほど前,90歳になった父と84歳の母を連れ奄美を訪れました。住用村の河口のマングローブの原生林に連れていき,カヌーにのせてもらって観光案内をさせてもらいましたが,原生林はどうなったのでしょう,案内をしていただいた野生児のようなおじさんは無事だったでしょうか。住用村は今回もっとも被害が大きかったと報道されています。奄美大島は海岸までせまる山々で村落が分断され,昔は船での行き来しかできなかった集落も多くあったと聞きました。今では多くのトンネルの開通で交通が便利になったそうです。その山々が土砂崩れをおこしたのですから,被害は甚大であったと思われます。1日も早い復旧を願うとともに,また自然の力の大きさを認識させられた次第です。
さて,今月の医報ですが,冒頭の大山先生の「誌上ギャラリー」イチョウの木の見事なこと。個人で30年かけて育てられたとのこと,私には今からはちょっと無理でしょう。イチョウの葉の色とこもれびの色が映えてとてもきれいです。
「論説と話題」政党がかわっても医療事情が改善した実感がありません。政治と医療,詳しくは9頁の「決議」をお読み下さい。原中日医会長の講演,NHKの「ためしてガッテン」北折ディレクターのお話も興味深いものがあります。
「医療トピックス」専門外の薬剤,検査法などの紹介,毎回ありがとうございます。また人間ドック学会に出席していただいた澁江 正先生には詳細なご報告ありがとうございます。
「学術」毎日母体,新生児医療に忙しい中,今給黎総合病院周産母子センターの加藤明彦先生には新生児の脳の超音波,MRI画像所見の比較,神経学的予後についての検討,詳しい考察ありがとうございます。
「切手が語る医学」(No.120)大変な数の切手に自分の顔が印刷されると考えると想像もつきません。社会への貢献が大変大きかった学者さんばかりですね。
「元文の板碑」はいつものように鮫島 潤先生が精力的に資料を調査,たぶんに現地にもおもむかれ執筆されたと思います。失礼ながらご高齢と思いますが,いつもその資料収集,執筆の活力に驚かされます。
「リレー随筆」編集委員会では続くかどうかを心配しながら始めた企画でしたが,順調にリレーしていただいております。以前には楠元雅寛先生にマラソン,今回は自転車の話題を天保山内科の橋口恭博先生に書いていただきました。自転車通勤,自転車休日に興味を持った方も多いと思います。旧金峰町のコースの場所是非教えてください。
「区,支部だより」「各種部会だより」「各種報告」を読ませていただいて,いつも思う事ですが,各会ともに土日,あるいは診療時間後の夜におこなわれていると思います。医師会の事務関係者,出席の先生方のご努力に感謝です。
「鹿市医郷壇」,今月は「占ね(うらね)」です。今月号では平成23年兼題を1年分決定し,掲載してありますので,十分に考える時間があります。平成23年の皆様のご投稿がますます活発になりますようお願い致します。
冷え込んできました。私も体調をこわし,ここ数日,ビタミン剤の点滴などしております。皆様,患者さんの治療も大事ですが,ご自愛下さい。
(編集委員 大西 義孝)

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