
先般4月21日付南日本新聞紙面で,「韓国大統領北朝鮮花火行事を批判」という見出しの記事を目にしました。会員のなかにもご記憶の方もいらっしゃるのではと思いますが,両国の思惑は別にして,その花火を実際に見物した一人として一言申し述べます。
私は,「日韓友好文化宗教交流訪朝団」の団長(鹿児島市最福寺法主 池口恵観氏)に随行をすすめられ同行しました。
故金日成主席の誕生日4月15日の前後含めて三日間を,朝鮮民主主義人民共和国では「太陽節」と呼び,一年の中で最も盛大な祝祭日とのこと。道行く人々の殆んどは着飾り,女性の民族衣装には魅了される美しさがありました。
そんな「太陽節」の慶祝夜会の催しとして花火が打ち上るのですが,我々訪朝団一人一人に招待状が届き,壮大な花火絵巻の観覧となったのです。
翌日,現地の報道で15万人以上の人々が花火を楽しんだと知りました。その中には多くの外国人が含まれていたのです。
私達を含む外国人が驚き,そして感激したのは花火だけではありません。花火が終って薄闇の中を雲霞のような人々が一斉に帰途についたにも拘らず,まったく事故なく喧嘩もなく,長い列が整然と続いたのです。横たわる政治問題は別にして,そんな秩序というものを感じれば,共和国の花火に心打たれない外国人はいなかったことでしょう。

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