梅から山桜に。春に向かう季節の移り変わりを誌上ギャラリーが伝えます。3月は年度の替わり目で、この時期各地の医師会で役員の見直しがされます。当市でも臨時総会で役員等の選挙があり、その模様が本号に議事録として掲載されています。今回会長候補者は所信を表明することとされ、それが会員に広報されました。本号ではこれまでにない新しい掲載記事として記録に留めることにしました。
前立腺生検症例の検討を医療センターの仮屋先生がお書き下さいました。お読みの会員からの紹介例も含まれていると思います。PSA検査の重要性がよく理解できました。循環器疾患合併高齢者では生検時の苦労もひとしおとのことです。
鮫島先生の、その時代を生き、足で回った随筆はいつも興味深く拝読しています。鬼丸先生の旧家の建て替えは残念ですが、お蔵からはどんなお宝が出るのか他人事ながら興味津々です。その折りはまたご寄稿下さい。このごろ会員からの随筆のご寄稿が少なく、編集委員会もその点一つの悩みです。一度載りますと医報にもっともっと愛着が湧きますのでお試し下さい。
鹿市医郷壇は、平成19年3号から現在の永徳天真先生に選者をお願いして長い歴史を紡いでいます。斯界の当時の大御所、三條風雲児先生のご生前のご推挙もあり引き継いで頂いています。毎号作句教室的に旧い優れた郷句のご紹介もされ、新人さんも暖かく迎えています。三條先生が市医師会員向けに書いてくださった貴重な薩摩郷句入門(43巻10号から3回)は、市医師会のホームページでご覧になれます。ご存じですか?優れた常連さんに薩摩出身でない方もおられます。薩摩んおまんさあたっも、どうかきばったもんせ!
内科医会からは、例会の講演、糖尿病治療の新たな展開について、内科医会監事の橋口先生が詳しく解説してくださっています。DDP-4阻害薬なる、血糖が上がるとインスリン分泌を促進するが、低血糖や体重増加は起こしにくく、膵β細胞にも良い、との新薬の使い方も紹介されています。
小児生活習慣病予防検診報告は、島先生のご報告で平成17年からの新たな基準による21年度検診のまとめです。こどもたちの生活環境が肥満解消の障壁になっていることを指摘され、また法的な肥満検診の取り入れを要望されています。特定健診も大切でしょうがこちらも将来のためにはもっと予算の欲しいところです。
新型インフルエンザワクチン集団接種は、市医師会と市保健所とのコラボで実現した事業です。まだホットなうちに概要をご報告くださいました。各種医師会活動の報告もお目通しください。医報の目的の一つはこのような活動を記録して残す、ということでもあります。
さて、私も今号で医報編集委員長退任です。編集委員、事務局のサポート、会員からのありがたいご指摘、ご協力のおかげでいくつかやり残したこともありますが、4年間欠号させず、大過なく務めることができたと思います。上ノ町委員は執行部に入り、長友委員が退任され、4月からは新しい布陣での出発です。変わらぬご愛顧を賜りますようお願いします。
(編集委員長 宇根 文穗)

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