「緑陰銷夏」涼しげな言葉ですが、今の時代はコンビニに飛び込んで一息ついています。今回は緑陰随筆特集号ということで、沢山のご寄稿を戴きました。
『清涼』涼しげな桐原の滝。NHK「美の壺」で知ったのは、滝にも“滝格”がありポイントは二つ。滝が落ちてくる場所「滝口」と岩や岩盤に当たってさまざまに形を変える「流身」だとか。『生い立ちの記』脇丸先生のエッセーは数々読ませて戴きましたが、今回で断筆との事、残念に思います。「宥恕」とはお許しの事と辞書で知りました。『山口萩往復140キロ完走』森山先生の挙げられた本は悲しいながら読んだことは無く、また40キロ以上歩いたこともないため,「銀河の下」⇒「吉田松陰」⇒「ドストエフスキー」と走りながら考える様に気高さを感じました。『幸運な若者と不運な魚』と『釣りと仕事とコミュニケーション』は釣りを引きあいとしたご寄稿でした。エギングとは餌木を使って釣る方法でingをつけた造語との事。知らずに辞書を引くと見つからずに、何語なの?と思ってしまいそうです。『言葉が狩り取られてゆく』と鹿市医郷壇の作句教室は、奇しくも不適切な言葉や蔑視についてのご意見でした。近年言葉に対する意識は確かに変化していると思いますが、藪医者くらいは良いのでは。『The 19th WAS World Congress for Sexual Healthに参加して』私もスウェーデンの具体的なイメージは無く、陽の長さや食事などに興味を惹かれました。機会があれば吉留先生の発表内容についてご寄稿いただけたらと思います。『蛍』夏の風物詩に纏わる蘊蓄を戴きました。特に小林出の山公園のくだりは、かつて派遣で住んでいた頃見にいっただけに懐かしく、目の前のアベックの会話が「(蛍の光が)まるで君の瞳のようだね」と聞こえたときに吹きだしてしまったのを思い出しました。『鹿児島が生んだ国際生理学者有村章先生を偲んで』ホルモン系には全く疎くて申し訳ないのですが、PACAPに関するシンポジウムが今年10月に鹿児島で開かれるとのこと、ご興味ある方はふるってメモリアルシンポジウムへのご参加を。『我が国の未来像』米国・日本の医療政策についてのご寄稿でした。文中、ブータンの「国民総幸福論」は以前テレビでみましたが、小王国ならではの政策で興味を惹かれました。『麻疹と麦秋』ではかつて副作用への過剰反応で、空白の期間があった事を思い出させてくれました。『作業療法士が行った認知症予防教室の紹介』当県の作業療法士の不足は著しく、且つその不足が人件費不足に起因しているのではと思われました。『日本一犯罪や交通事故の少ない鹿児島づくりを目指して』では刑法犯認知・交通事故件数・振り込め詐欺についてのご寄稿を戴きました。後二者については高齢者における判断や認識に要する時間の問題があり、かつ介入の難しさがあるのではと思われました。『最近の歯科事情』鹿児島市歯科医師会長に就任されました橋口先生から、現在歯科に纏わる状況をご寄稿いただきました。
くすり一口メモは『禁煙の薬物治療』でしたが、先日の新聞で本県は禁煙取り組み率上位、禁煙達成率下位の結果と発表されていました。鹿児島県人らしいかな(笑)。学術は婦人科領域のGISTの一例で、免疫組織学的な検索の進歩が診断に繋がっていくという報告でした。随筆は『切手が語る医学』シリーズで、ドラえもんのポケットのように切手を紹介いただいております。『風呂』シリーズでは椿の花の正体がわかってめでたし。リレー随筆は北の国にてのお話を紹介いただきました。産婦人科ドクターのリレー、次回も乞うご期待です。
(編集委員 山口 剛司)

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