新型インフルエンザが国の水際対策も効果なく5月初めに神戸で認められ、徐々に日本でも拡がってしまいました。日替わりで対策案が変わるため、最前線の医療施設は対応に追われ戦々恐々の毎日です。季節性と同様な弱毒性と発表され、抗ウィルス薬が効くとはいえ、会員の先生方のご苦労はいかばかりかと我が身に照らし合わせ心よりお察し申し上げます。せめて日本特有の六月の梅雨がウィルスの伝播を減らしてくれないかとかすかな期待をしています。
「誌上ギャラリー」は馬場先生の「石橋記念公園から見る桜島」です。8月6日の大洪水では、私の勤務する病院近くの玉江橋も流失は免れましたが、やはり破壊され石橋公園に移されました。あの時は甲突川で産湯を浴び、夏には日が暮れるまで橋のたもとでごもんちゃんやハエを捕り遊んでいた私としては修復をして前のままの状態で残してほしいと願っていました。しかし写真の移設された西田橋と遠くに桜島を見る風景には何かしらほっとさせられます。新名所として後世に残ることも橋にとってはよかったのではないかと改めて思います。
「論説と話題」は、宇根先生のこれからの市医師会情報伝達のお話でした。大切な情報をいかに早く会員の方々にお届けするかを、アンケートによる会員のインターネット接続環境、ファックスをメインとした現在の市医師会の情報伝達方法、今後の全医療施設へのインターネットによる情報配信支援対応等についてわかりやすく解説いただきました。
「医療トピックス」くすり一口メモは、オピオイド・ローテーションについてです。勉強不足の私にとっては耳慣れない言葉でしたが、緩和ケアのがん疼痛治療法も日々進歩していると改めて思います。
「随筆・その他」切手が語る医学は世界中で幅広い奉仕活動をしているロータリークラブの医学貢献を表す「国際ロータリー100年記念」に関する切手を古庄先生に掲載していただきました。
鮫島先生には「白熊の後を鼠がついて行く」と題し、終戦直後の広島での原爆傷害調査委員会に行かれた思い出について、米軍の軍医を「白熊」にご自分を「鼠」にたとえ、当時の米軍の進歩した仕事環境など貴重な体験をご投稿いただきました。
リレー随筆は今回楠元先生に執筆いただきました。ご自分の健康のために始められたジョギングがマラソン大会に参加するまでになり、さらに今でも自己ベストを更新するべく努力されておられる様子を書いておられました。今後も頑張って走り続けていただきたいです。
「区・支部だより」と「各種部会だより」は錦江、紫南、上町各支部会と鹿児島市整形外科医会総会の報告でした。
「各種報告」は理事会、各委員会、会員施設職員研修について事務局より報告がありました。
「鹿市医郷壇」今月の題吟は「嫁」です。嫁一文字でも様々な方向から見た薩摩郷句ができるものだと感心します。
インフルエンザ騒ぎのさなか、どさくさにまぎれて北朝鮮がまたもや核実験・ミサイル発射と次々に実施したことには今後どうなることやらと新たな畏怖の念を抱かずにはおられません。
(編集委員 長友由紀子)

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