『秋の陽は釣瓶落し』と申しますが、病院から出るとすでに暗くなっており、「これは酒でも飲まないと泣きそうだな」と呟きつつ、仕方なく飲みに出かけるこの頃です。でも秋の陽は本当に他の季節より急に暗くなるように感じます。なんでなんだろうとネットで引いてみると、以下のような回答がありました。
『1年を通じて、同じ季節つまり春の朝日と春の夕陽の動き、そして秋の朝日と秋の夕陽の動きは違っています。違う季節、つまり春の朝日と秋の夕陽はあたかもサインカーブのように、春の夕陽と秋の朝日はあたかも放物線カーブのような、同じ動きをしているということがわかります。「秋の夕陽」を「つるべ落し」と表現するように、立秋から立冬にかけての夕日の沈む時間は、あっという間に2時間も早くなってしまうのです。「陽の暮れるのが早くなったねえ」と何気なく初秋に交わす会話の正体は、太陽のこんな動きだからではないでしょうか。』
あんまり考えたことがありませんでしたが、そういうことらしいです。
さて今回編集後記の担当となったため、急ぎ内容に目を通してみました。
「誌上ギャラリー」は毎回鮮やかな色合いで、今回の『〜錦秋〜:紅葉下に佇む舞妓はん』も、赤色に飲み込まれそうな勢いの艶やかな発色です。研究会等で何年に一回位京都に行くことがありますが、舞妓さんにお目にかかったことはないし、また緑色の葉っぱの楓しか見たことがない。哲学の道も、桜色というものが混じっていた例がない。いつかはシーズンに訪ねてみたいと思わせる一枚でした。
「論説と話題」は女性医師支援についての提言ですが、研修医と接する機会につけ、本当に女性医師が増えたなと実感します(平成20年は34.5%に達したとの事)。少子化改善の一端を担う意味でも、当然産休・育児期間の必要性・重要性は明らかです。しかし現場においては、女性医師のいるいないに拘らず人員不足は顕著で、誰かが休めば「もう廻りません」という状態です。『衣食足りて礼節を知る』といいますが、人員に余裕があってこそ、笑顔で「頑張って産んできてね」と言える気がします。シフト制についても触れられていますが、それにも人員の充実は必要と思います。なんだか『貧すりゃ鈍する』的発想でさびしい限りです。最近、現状維持というのが、壮大な目標に感じます。
「リレー随筆」では鹿児島医療センターの田中裕治先生が、フォンタン手術に関して教えて下さっています。予後・合併症などの厳しい問題はあると思うのですが、小学3年の子供の作文を読むと、大切な手術だなと実感しました。またスクラブではないのですが、『ER』の中で外科医の被っているタオル地のようなカラフルな帽子は、私も前から欲しいなと思っています。誰か作ってくれないかなぁ。
「学術」では鹿児島市内科医会の講演会より、『慢性閉塞性疾患』について述べられています。喫煙習慣イコール「肺の生活習慣病」と私も認識してはいるのですが、NICEスタディの推定患者530万人の中に私もいるような気がします。困ったもんです。一応内容はじっくりと読ませていただきました。今後にご期待下さい。
(編集委員 山口 剛司)

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