平成20年度鹿児島市刀圭会夏季例会・特別講演（平成20年7月18日開催）
「 元 気 で 長 生 き Ｐ Ｐ Ｋ の コ ツ ！」
| 日本笑い学会副会長 産婦人科医師 昇 幹夫 |
講 演 要 旨
刀圭会幹事 平田 宗興
皆様、今晩は大阪の吉本の方から来ました昇です。（笑）名前も変わっていますが、仕事も。そう女性の身の下相談、産科医をしていて今では絶滅危惧種に指定されています。現在でも月に10人の赤ちゃんを取り上げています。
5年前、FIGO（国際産科婦人科学会）（南米チリで開催）で横浜の池川 明先生が1000例のデータとして発表、約3割の子供が胎内記憶を持ち、2割は誕生の記憶を持っていた。テレビで放映されたDVDをご覧ください。おなかにいたときの格好を見せる子供たち、ある子供は3歳のころから語り始めました。受精から胎内の初期発生、成長と出産の様子など。何とおなかに入る前の記憶を語る子も、雲の上で6人ぐらいの天使がいたのですが、おなかの中に入る女の人を探していたが、あっ、この人がいいかなと思って入ったのです。（ダジャレの連発）皆さん笑ったその顔、自分でじかに見ることはできません。顔は人様に見ていただくためにあります。表情筋は使えば発達、使わなければ退化します。顔は生まれたままじゃありません、いい顔を作ることは一生の修行、明るい顔がまわりを明るくします。お金をもらった時だけ笑う表情筋の名前、昔、解剖で習わなかったですか？「はいとうきん」ですよね。（笑）笑うにはどうすればいいか、簡単です。鏡に向かいニッコリすればいい。私が笑えばあなたが笑う。これミラーの法則といいます。（笑）皆さん、笑ったことで癌細胞が千個ほど消えたと思います。吉本新喜劇を3時間見ると、リンパ球の1割のNK（ナチュラルキラー）細胞、癌細胞などを直接やっつける天然の殺し屋、これが非常に活性化されるという実験を1991年にやりました。1996年リウマチの患者に落語を聴かせて良くなったという日本医大のデータ、2003年糖尿病が漫才でよくなったいう筑波大の実験など笑いが健康にいいという証拠が続々発表されてきました。それを科学の目から解き明かす方法として、筑波大学の村上和雄名誉教授は笑うことで遺伝子が動くと考え、23人の被験者に3時間たっぷり漫才や喜劇を見てもらい、その前後で血液を採取し遺伝子を解析しました。体に備わっているおよそ3万2千の遺伝子は生命の維持に必要なホルモンや酵素を作る司令塔の役割を果たしています。ホルモンが作られるときメッセンジャーRNAというコピーが作られます。そのコピーはタンパク質の工場、リボゾームに移動、そこで遺伝子の指令通りのホルモンが作られます。解析の結果、64個もの遺伝子が笑うことでスイッチオンになっていました。その一つリボゾームに関する遺伝子が活性化すると新陳代謝を促します。またへモグロビンにかかわる遺伝子では酸素が体の隅々まで行きわたり生き生きと生活できるようになります。
次はがん患者さんをモンブランに連れて行った岡山の伊丹仁朗先生は、20年前から笑いや生きがいを活用して免疫力を高める心の治療をしてきました。人生最後は楽しいことしか思い出さないと言われますね。アルツハイマーの方もきちんと覚えています。でも楽しい日々は自分で作らないと誰も人は作ってはくれません。今3人に1人が癌になる時代、ありふれた病気になりつつあります。あとの死因は心臓病、脳卒中などです。心筋梗塞は突然死、脳卒中は助かったとしても半身不随。癌の痛みはちゃんとやれば95％も取れる。残された時間もあると考えれば癌も悪くありません。でも癌と宣告されると皆さんがっくりきますよね。あのガンという音の響きが良くない。あれをポンにしたら、大分違うでしょうね。あの人何で死んだ？ポンで死んだ。国立ポン研究所、肝臓ポンとか、口の中にできたら何というでしょうか。それは味ポンです。（笑）
さてポン患者、あの人たちは自分には時間がないという思いが強いですから嫌なものははっきり嫌といいます。残された時間が僅かだと分かったとき大切な時間をどうやって過ごしますか。この世の中で何が一番ストレスですか。人間関係ですよね。残されたわずかな時間、自分の周りにいる人とどうやって過ごせばいいか。こんなに考えてみたらいかが。自分の周りにいる人をふたつに分ける。体にいい人と悪い人。体に悪い人は疲れる人、いい人は元気が出る人です。残されたわずかな時間、できるだけ体にいい人と楽しい思い出をいっぱい作り、ああ面白かった。じゃね。これしかないと思いません？最近、グルメがはやっていますね、でも味は何で決まるか。それは誰と食べるか、誰と飲むかではありませんか。「鯛も一人はうまからず。」英語でプレゼントという言葉があります。二つ意味があります。贈り物、今、現在。神様はすべての人に今、現在生きているという時間、それをプレゼントしているとも解釈できます。だから今日、今、ベストを尽くすことです。明日はだめです。アスベストといって非常に危ないですよね。（笑）
それをはっきり教えてもらったのが実はこのモンブラン。ことの発端は20年前7人のがん患者、それも2、3年うちに死ぬよと言われた末期がんの患者が日本からあのモンブランに登頂する、世界中のマスコミがびっくりして報道して応援してくれました。せっかくおいでになったのだから楽しい思い出たくさんつくってもらおう。10人の山岳警備隊に守られてみんな無事に帰ってきてあれから20周年、伊丹先生は全国8か所講演をして回りそれに生き残った5人が付いてまわり体験をそれぞれがしゃべりました。癌だから年だから先にいくというわけではありません。お役目が終わったらお迎えがくる。癌は生活習慣病の代表です。何で自分が癌になったか。がんばりすぎをやめ、食い改めて心の持ち方を変えたら見事に平和共存します。10周年で参加した84歳のおばあちゃん、どこも行きたくない閉じこもりの暗い方でした。モンブラン1週間の拉致監禁コースに放り込みました。1週間、とってもいい天気が続きました。おばあちゃんはモンブランも見える展望台で手を合わせてナンマンダブツ、いつ死んでもいい。私は元気だったらモンブランみたいなあんな遠いとこ、よう行きません。癌になったお陰でこんな人たちと知り合いになれた。モンブランで人生が変わった。最初に言いましたよね。癌もそう悪くないよというのはそういう意味です。病気になったら病気を治すな、己を治せ。あんた、そんな生活をしていていいのですかというメッセージととらえてはいかがでしょう。
癌になってよかった。そんな非まじめな発想もあるんですよという話を今日はまじめな皆さんにしたい。非真面目の有名な質問「氷が溶けたら何になりますか。」もちろん水ですよね。水以外の答はなんですか。10数年前の有名な話ですからどなたかご存じでしょう。「春になる」ある小学1年生が学校の宿題でそう書いたら先生がぺケしました。こんなにいい答えを何で間違い。お母さんが怒って新聞に投書しました。いろんな答えがありますね。飲んべえに聞いたら、水割りがうすくなると言うでしょうし、環境問題専門家は大洪水になると言うでしょうね。流行語もちょいと捻って面白くできる。ねー失楽園しない。まじめな人はとんでもないという顔をしますが。失楽園は困るけど永谷園ぐらいだったらええわ。伊藤園はお茶だけ。これからはこういう返し技が要りますよ。
さてNK細胞、笑うとわずか5分で活性化されます。免疫の注射では3日ぐらいかかる。大阪の難波花月で実験したからナンバカゲツの細胞と言った人がいますが、違いますからね。ナチュラルキラー細胞です。ガンは生活習慣病の代表ですよね。氷山の図で波の上が癌です。これだけちょん切っても元の環境に戻したら確実に再発します。がんの原因の一番が、がんばりすぎです。ちゃらんぽらんな人はがんになりません。2番目、食事です。ご飯に合うおかずは全部ひらがな、パンに会うのはカタカナ、ご飯とパン、どっちが添加物多いですか。基本的にはご飯です。それに粟、稗を混ぜれば最高です。食はとっても大事な三大本能の一つですから、癌というやつは口を三つも書いて山ほど食ったという意味です。でも食が原因というのはあくまでも三分の一、残り半分は心です。2対3対5の割合です。ではNK細胞を元気にするには1、笑う、2、泣く。涙の中にストレスホルモンが全部出る。3、ひとに話を聞いてもらう。誰でもいいです。顔を見ただけ声を聞いただけでほっとすることがありますよね。これホッとラインと言います。配偶者はホッとラインにはなれません。夫婦は修業の場だと思ってくだい。その証拠にサラリーマン川柳10年間募集して4年前ダントツ1位が出ました。「プロポーズ、あの日に戻って断りたい。」（笑）奥さんに先立たれた旦那の平均余命は5年、メリーウイドウというとおり寡婦は22年。圧倒的な差です。ぼけ方にも違いがあります。男が最後まで覚えているのは奥さんの顔と声。女が最初に忘れるのは亭主の顔と声ですからね。4、お華粧をする。5、楽しく歌う。6、よい睡眠をとる。毎日毎日古い細胞が新しい細胞にリニューアルされますその数は一日に一兆個、ということは60日ですっかり入れ替わる。永久細胞は分裂しません、それは心臓と歯ですね。だからそこに癌はできません。ほかのところは全部コピー。コピーができる時間帯が睡眠中、だから睡眠時間まで削って無理に無理をすればろくでもないコピーができるよ。7、冷たいものをとらない。癌には温熱療法が有効です。
最近、問題になっている添加物、｢トランス脂肪酸」、一番多く含まれるのはマーガリン、外国では法律で禁止されています。その害は心臓病、アトピー、ボケ、不妊。日本では全く野放し。マーガリンの植物の油は本来、いいと言われますよね。普通の植物の油は液体、あれだけ固体です。熱と水素を加えますとシス型からトランス型に変わり、この構造式は別名プラスチック食品と言われます。マーガリンの置きっぱなし、全くカビが生えません。
健康法は知っているだけでは何の役にも立ちません。知っているとできるとは大違い、やってみないと分らない、やったことしか残らない。モンブランや富士山はひとつのシンボル。皆さん、自分のモンブランがありますか。最後に楽に生きるための呪文を、サラリーマン川柳で見つけました。これだけ覚えたら楽になります。「逆らわずいつもニコニコ従わず」「他人と過去は変えられない、自分と未来は変えられる」そしたら嫁はんが突然「自分と過去は変えられないが亭主と未来は変えられる」（笑）
さてボケにも寝たきりにも介護保険のお世話にもならないPPKの方法です。PPKはピンピンコロリの略。これを実際やっているのが長野県、今、長寿日本一、医療費は最低、昭和40年、脳卒中日本一は長野でした。これではいけないと頑張った結果、日本一です。
今日はいろんな話をしました。この中の一つでも二つでも実行していつも逆らわずニコニコ従わず。そして私の本を買っていただいた方が、死ぬまで生きることは間違いありません。どうもありがとうございました。
（拍手）
(C)Kagoshima City Medical Association 2009