産地偽装、薬物混入、有名料亭での料理使いまわしなど数多くの事件発覚以来食の安全が叫ばれている。
日本の食糧自給率は39パーセントしかなく、スーパーでの産地名表示で外国名の多いのに驚かされる。ただし中国産のものは店頭より消えつつある。安売りしても消費者がチェックして買わなくなっているようである。外食産業でも国内野菜でないと売れなくなっているらしい。この先国内野菜が値上がりしそうである。
我が家では、季節の野菜はほとんど自家製で、今まで当たり前のように食してきた。白菜には気をつけないと青虫が入っていたり、菜っ葉も虫の食べた後があったりする。これまでいやだなと思ってきたが、最近では虫が付く位安全なのだと思えるようになってきた。ほうれん草はハウスでできたすらりとした黄緑色ではなく、日差しを浴び、短い青緑色だがやわらかく美味しい。大根は形が悪かったりするが、水分ではちきれそうである。キャベツもパリパリしていて手でちぎれる。冬は深ねぎの出番が多く、鍋料理には欠かせない。鍋を火にかけてから畑に取りに行くこともある。こんなに新鮮な材料はないと一人で満足している。今日まで大した病気もせず過ごしてこられたのも安心、安全な自家製野菜のおかげではないかと思う。
先日東京の友人に頼まれて金柑を送ったところお礼状といっしょにレシピが届いた。金柑は我が家の庭にあり、たまに生のままかじるくらいで、ほとんど鳥が飛んできて食べていた。折角友人がレシピを送ってくれたので、お薦めの金柑の甘煮を作ってみることにした。米のとぎ汁で煮ると色の冴えが違うと書いてあったので、米をまずといでみる。1個1個の金柑の横に6ミリくらいの切り目を入れる。味がしみやすく、煮てもしわにならないらしい。砂糖の量もレシピより100グラム少ない方がよいと書いてある。煮詰めたところでレモンを加える。できあがった金柑の甘煮は見た目にもきれいで、さっぱりしてとても美味しい。我が家に金柑があってよかったと改めて思った。金柑酒の作り方のレシピも入っていたのでそちらも作った。甘煮はお茶請けにして、あっという間に食べ終わってしまい、今は金柑酒の熟成を待っている。また楽しみが1つ増えた。恵まれた環境とそれに気付かせてくれた友人に感謝である。

|