編集後記

 大河ドラマの「天璋院篤姫」の放映を毎週楽しみにしております。現代風にアレンジされているところもありやや違和感もありますが、身近な地名が出てくる親しみと、幕末から明治維新の細かな歴史の流れを再度勉強し直すことができて興味が尽きません。当時の薩摩藩の借金は500万両、現在の鹿児島県の借入金は1兆1千億円、合い通ずるものがあるようです。調所広郷のような人物が出て、一口10万円、無利子、年1回の県政報告のみという「鹿児島県を助ける県債」を発行し県民に公募してはと考えます。財政再建なしには県に新しい事業は何も望めないのではと思われる状況です。まずは前責任者、天下りで多額の退職金をもらった者、税金をほとんど納めていない地場の大企業の経営幹部、県に進出してくる大企業にこの県債を買ってもらいたいものだと思うのですが、ちょっと過激でしょうか。

 「誌上ギャラリー」は幻の野草オキナグサです。雨にぬれた紅が清楚に美しく咲いています。

 「論説と話題」は医報編集委員長の宇根先生の「役員等選挙の結果について−歴史的な転換か?」です。今後の市医師会の方向性について考える契機になりそうです。さらに詳細をお知りになりたい方は臨時総会議事録をお読みください。

 「医療トピックス」はくすり一口メモ、抗癌剤療法ティーエスワン併用療法についてです。

 「学術」は鹿児島医療センターからビタミンB12欠乏性貧血の臨床、医師会病院から心臓カテーテル検査の合併症としての脳塞栓合併症の検討、天陽会中央病院の心筋シンチグラム検査の症例と盛りたくさんです。市内科医会例会では鹿児島県大隈町出身の川畑信也先生が「日常診療に役立つ認知症疾患の診断と治療、対応の実際」という講演をされました。明日からの診療にすぐ役立つ内容であり,“NHKスペシャル”でも取り上げられたトピックな話題でした。

 「随筆・その他」でまずはイギリスの医学切手です。西橋先生は「恩師(5)」で子どもと大人のはざ間の心の動きを回想されています。鮫島先生には年男として、子年と鼠にまつわる終戦前後のなつかしい思い出を書いていただきました。

 「区・支部だより」では清滝支部、錦江支部より新年会及び支部会のたよりをいただきました。

 「各種部会だより」では市内科医会1月例会の報告、学術でも紹介された認知症疾患の診断と治療です。

 「各種報告」では、年永先生が「平成19年度桜島火山爆発総合防災訓練」について報告され、静止衛星「きく8号」を用いた動画やデータ、音声の通信試験、ICタグを用いた避難住民管理システム試験、トリアージ結果の伝達実験など大変興味深い内容でした。

 島先生からは「生活習慣病予防検診報告」をいただきました。小中学生に広がるメタボリックシンドロームの問題点を明らかにされています。

 「鹿市医郷壇」の今月の兼題は「点」です。点にまつわる夫婦関係、親子関係の機微を薩摩郷句に上手に読み込まれています。

 来月からは新年度、保険制度、健診制度も大きく変わろうとしており、一医師会員としては不安が一杯です。政治やマスコミに踊らされず、真に国民のため、医療界で働くスタッフのため、そして医師会員自身のため一致団結して歩んでいければと願います。


                                         (副編集委員長 南  武嗣




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