編集後記


 この夏は猛暑、酷暑です。多治見市、熊谷市では40.9度まで上がり、74年ぶり最高記録とのことです。鹿児島市の予想最高気温35度との表示にも驚かないようになりました。戸外だけでなく、室内での熱中症も多く救急車の出動が増えているそうです。扇風機やクーラーのない時代、昔の人たちは行水や打ち水をし、風鈴の音を聞きながら暑い夏を乗り切ったのでしょうか。クマゼミも大量発生し、木の枝と勘違いして光ファイバーケーブルに産卵し、断線する被害が相次いでいるそうです。家の周りの木々が減り、光ファイバーの幹線から各家庭への引き込み線を枯れ枝だと思い込んでいるようです。自然破壊、ハイテクに対するセミの逆襲のようです。暑い中、甲子園の熱闘には感動しました。佐賀北高校旋風の中、延長引き分け再試合、最速155q記録更新、捕球後のフェンス激突、連続無失点、逆転満塁ホームランなどいろいろなドラマがありました。最後粘りのあるチームが勝ちました。甲子園は、人々に、若いころの情熱、ひたむきさを思い起こさせます。

 小池防衛相対守屋事務次官の対立も妥協が成立し、新次官が誕生することになりました。参議院戦惨敗後続投の安倍内閣は27日に党役員人事と内閣改造を発表するとのことです。権力闘争に関係なく、国民のためになる人事を行ってほしいと思います。

 誌上ギャラリーは天辰先生の「えびの高原のススキ」です。「えびの」の名前の由来も教えていただきました。えび茶色のススキが涼しげで心が落ち着きます。秋はもうそこまで来ています。

 論説と話題は第39回九州地区医師会立共同利用施設連絡協議会の報告です。テーマは2008年より始まる「特定健診・特定保健指導」に絞って行われました。

 医療トピックスはくすり一口メモで、経口用ニューキノロン系抗菌薬の薬物動態と使用上の注意点についてまとめてあります。

 学術は天陽会中央病院から抗生剤の肝動注療法が効果的であった肝膿瘍の症例が報告され、また今村病院分院からメンタルヘルス不全と生活習慣との関連の調査報告がなされています。運動と節度ある飲酒はメンタルヘルス不全の予防効果があり、喫煙との関連はなかったそうです。

 随筆・その他は朝倉先生のクッシングの物語で、兄の死を乗り越えボルチモアで執筆や講演と仕事に没頭する様子が描かれています。下垂体手術の本は画期的だったようです。ボストンへの引越しも間近です。切手が語る医学は古庄先生の聴診器のある図案を含む切手です。いろいろあるものです。脇丸先生の「ゆめ」には先生の決意が込められています。鮫島先生は、前号に引き続き薄幸の童謡詩人金子みすゞの詩と、一人娘ふさえの述懐について書いておられます。

 区・支部だよりでは、谷山、清滝、甲東各支部長より活動報告がなされ、各支部の様子がわかります。

 各種報告では、鹿島先生が、男女共同参画フォーラムの報告をされています。医師不足の解決策としての女性医師の就業復帰にはまだ多くの問題があり、行政も含めてスタートしたばかりのようです。

 暑さは峠を越したとはいえ、まだまだ暑い日が続きます。会員の皆様体調管理には十分気を付けて下さいませ。
                                         (編集委員 下川 優子
 


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