緑陰随筆特集

雑      感
鹿児島市歯科医師会会長
                  森原 久樹


 今年の梅雨の前半は空梅雨なのではと思っておりましたが、後半になって豪雨が起こり、指宿線で電車が土砂に埋まる事故が発生しましたが、怪我人が出なかった事は幸いでした。
 空梅雨になるか豪雨になるかは、ペルー沖の海面温度に関係が深く、海面温度が高ければいわゆるエルニーニョ現象がおこり、豪雨になる。また海面温度が下がるとラニーニャ現象になり、空梅雨になり梅雨は短いのだとか。ちなみにエルニーニョとはスペイン語でやんちゃ坊主の事で、ラニーニャとはおてんば娘という意味だそうで言い得ているなと感心したところです。
 この原稿を書いている頃は参議院選挙のさなかで、防衛大臣の原爆容認とも受け取れる発言で政権与党には少なからず影響があるものと思われますが、三師会の候補者も悪影響を最小限に留め、めでたく当選し三師会で国会の場でも共闘して、医療界の環境改善に力を尽くして欲しいと思うのは私だけではありますまい。
 私ども、歯科医師会では全国でも例のない「歯の感謝祭」を6月4日に毎年松原神社で行っています。これは第15代島津貴久公家臣平田純貞を祭ったもので、平田は主君の死後、殿の命日に殉死。その時、南林寺の海岸から生きたまま棺桶に入り流してもらい、その時棺桶の中からいつまでも歯ぎしりが聞こえていたという事から丈夫な歯の持ち主ということで、歯の神様として崇められだしたそうです。純貞の墓には、歯の病気や痛みに悩む近くの住民や、遠方からそれを聞きつけてやってきたたくさんの人々のお参りが絶えなかったということでした。
 私ども歯科医師も全国で10万人にならんとしておりますが、昔に比べこれ程の発展を遂げながら、現在歯科界は自ら招いた難局に直面しており、これを乗り越えるには容易なことではありません。このような私ども歯科界の現状に医師会の先生方から、何か提言等聞かせてもらえるような場があれば、もっと違う展開になるのではと思うところであります。
 今の歯科界では何を言っても愚痴になりますが、春が来るのだろうかと期待はしても実現の可能性はゼロ、いやマイナスになる可能性は大いにあるというのが現実であれば、ただじっと耐えなければならない。かといって医療の質を落としてはならないという大前提の下では歯科は成り立たないとの答えが導かれてきます。
 話題を変えますが先日、歯科医師会の釣り大会を11名の参加で開催しましたが、優勝は500グラム位の真鯛でした。完全な坊主の人もいて、他はほとんどが対象外の魚1匹の釣果でした。この事は私どもの現在、未来を象徴しているかのような釣り大会でコメントもなくただ笑うしかない結果で終了しました。
 「雑感」などと表題をつけましたが、「愚痴集」と変更した方がいいようでございます。なんと申しましてもこれから医師会の先生方に示唆、指導を受けながら地域歯科医療に貢献しますので今後とも宜しくお願いいたします。




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