緑陰随筆特集

私  の  健  康  法
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科
発生発達成育学講座口腔保健推進学分野
(旧予防歯科学講座) 
                    於保 孝彦

 「健康日本21」、「新健康フロンティア〜健康国家への挑戦〜」と国民に対する健康増進施策が繰り広げられている。これらの中でとりわけメタボリック・シンドロームの予防に重点が置かれているように思うが、歯の健康もこれらの中に掲げてある。私の所属は「口腔保健推進学分野(旧予防歯科学講座)」であり、歯の健康には予防が第一と考え、大学卒業直後からこの道を歩んできた。近年、口腔の健康と全身の健康の関係が注目され、様々な研究成果が報告されている。学生に対する「健康論」の講義にも益々熱が入り、人々を健康にするためには、まず自らが手本となる生活をするように指導している。健康増進のために日常生活で必要なのは、正しい食生活と運動の習慣である。私も学生に説く以上は自ら実践している様子をスライドで示さなければならない。食生活については時間の不規則性が改善すべき課題だが、運動については9年前から始めたジョギングがある。当初は短い距離であったが、徐々に距離を伸ばして今ではその日の体調に合わせて、5〜15キロを休日に走っている。スピードは息が上がらない程度でできるだけ長い距離を、まさに有酸素運動の健康ジョギングである。前任地福岡ではほとんど平坦な道ばかりであったが、こちら鹿児島はとにかく坂が多く、相当なトレーニングになる。また夏の暑さは比べものにならないくらい厳しいので、水分補給などの体調管理が特に重要である。桜ヶ丘の自宅から山田経由永田川下り、あるいは天文館経由ドルフィンポートまで、など気の向くままに走っている。また旅行に出かけた時は、まず周辺を走ってからゆっくりと温泉に浸かることにしている。
 走る時はなるべく普段のストレスの元を思い浮かべない様にしているが、なかなか難しい。しかし、周りの美しい草花や木々、高台からの景色を眺めながら走るのは何とも気分がよい。この春からは時折デジカメを片手に走りながら、気に入った風景を収めるようにしている。そのうちの何枚かを掲載させていただいたが、写真を見ると走っていた時の状況を思い出し、何とも言えぬ、ゆったりとした気分になる。まさに私にとって走ることは、心身共に健康増進のための最適な活動である。お陰様でメタボリック・シンドロームとは無縁であり、来春から始まる特定健康診査でウエストサイズを測られてもまだ10センチほど余裕がある。これからもゆっくり長く走り続け、学生たちにその効用を示して行きたい。

2007年2月11日 桜ヶ丘〜山田〜永田川にて

2007年4月8日 谷山北にて

2007年4月28日 指宿にて

2007年5月27日 霧島にて





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