積 ん 読 書 物 の 中 か ら
| 西区・武岡支部 脇丸 孝志 |
| 本書は明治29年から昭和54年の間に故人となられた65人（一昔前の錚々たる作家方）へのお別れの言葉を収録した本である。座右の書に好適の一冊と思う。 |
「弔辞」集成・鎮魂の賦
発行所 株式会社 青銅社
1986年10月30日 新装改訂版第2刷発行
著者 司馬遼太郎 他
目 次
北村透谷、明治27年没、亡友反古帖、島崎藤村
樋口一葉、明治29年没、
一葉女史を弔ふ、田岡嶺雲
正岡子規、明治35年没、悼子規君、安藤一面坊
尾崎紅葉、明治36年没、紅葉先生弔詞、泉鏡花
斎藤緑雨、明治37年没、
斎藤緑雨君を弔す、幸田露伴
川上眉山、明治41年没、鳴呼眉山君、石橋思案
国木田独歩、明治41年没、弔辞、田山花袋
池辺三山、明治45年没、三山居士、夏目漱石
石川啄木、明治45没、
石川啄木君と僕、若山牧水
夏目漱石、大正5年没、葬儀記、芥川龍之介
三富朽葉、大正6年没、弔詞、秋田雨雀
島村抱月、大正7年没、
忘れ難きことども、松井須磨子
森鴎外、大正11年没、鴎外先生、永井荷風
富永太郎、大正14年没、富永太郎、小林秀雄
芥川龍之介、昭和2年没、弔辞、菊池寛
徳富蘆花、昭和2年没、
一日如夢の記、徳富蘇峰
葛西善蔵、昭和3年没、弔辞、谷崎精二
若山牧水、昭和3年没、弔詞、北原白秋
小林多喜二、昭和8年没、
同志小林多喜二追悼の辞、日本プロレタリア文化連盟
宮沢賢治、昭和8年没、弔辞、儀府成一
与謝野寛、昭和10年没、
与謝野寛先生弔詞、佐藤春夫
牧野信一、昭和11年没、
牧野さんの祭典によせて、坂口安吾
中原中也、昭和12年没、死んだ中原、小林秀雄
北条民雄、昭和12年没、臨終記、東条秋一
岡本かの子、昭和14年没、妻を懐う、岡本一平
立原道造、昭和14年没、
立原道造を懐ふ、室生犀星
萩原朔太郎、昭和17年没、
師よ、萩原朔太郎、三好達治
与謝野晶子、昭和17年没、
与謝野夫人晶子先生を弔ふ、高村光太郎
北原白秋、昭和17年没、
白秋さん、貴方は生きてゐる、福士幸次郎
島崎藤村、昭和18年没、弔辞、徳富蘇峰
徳田秋声、昭和18年没、弔辞、正宗白鳥
島木健作、昭和20年没、島木健作の死、高見順
武田麟太郎、昭和21年没、弔辞、川端康成
織田作之助、昭和22年没、
織田作之助君を偲ぶ、杉山平一
幸田露伴、昭和22年没、
露伴翁の永眠に対して、山本有三
横光利一、昭和22年没、弔辞、川端康成
太宰治、昭和23年没、山水蒙（中凶）、今官一
田中英光、昭和24年没、弔辞、豊島与志雄
宮本百合子、昭和26年没、弔辞、細川嘉六
原田民喜、昭和26年没、弔辞、埴谷雄高
前田夕暮、昭和26年没、弔辞、折口信夫
林芙美子、昭和26年没、
林芙美子さんを悼む、平林たい子
斎藤茂吉、昭和28年没、弔辞、土屋文明
堀辰雄、昭和28年没、悼詞、室生犀星
加藤道夫、昭和28年没、加藤道夫君、堀田善衛
岸田国士、昭和29年没、弔辞、三好達治
坂口安吾、昭和30年没、
安吾のゐる風景、石川淳
高村光太郎、昭和31年没、弔辞、戸来九左衛門
室生犀星、昭和37年没、
今は亡しわが犀星、佐藤春夫
佐藤春夫、昭和39年没、弔詞、川端康成
江戸川乱歩、昭和40年没、弔辞、松本清張
谷崎潤一郎、昭和41年没、弔辞、舟橋聖一
壺井栄、昭和42年没、弔辞、佐多稲子
伊藤整、昭和44年没、伊藤整弔辞、瀬沼茂樹
三島由紀夫、昭和45年没、
三島由紀夫氏の死ののちに、武田泰淳
高橋和巳、昭和46年没、
とむらいのことば、小田実
志賀直哉、昭和46年没、
志賀直哉、武者小路実篤
川端康成、昭和47年没、
川端さんの死に就いて、丹羽文雄
椎名麟三、昭和48年没、弔辞、大江健三郎
金子光晴、昭和50年没、弔詞、草野心平
檀一雄、昭和51年没、弔辞、尾崎一雄
舟橋聖一、昭和51年没、弔辞拾遺、丹羽文雄
武者小路実篤、昭和51年没、弔辞、中川一致
武田泰淳、昭和51年没、誄詞、山本健吉
海音寺潮五郎、昭和52年没、
蒸留された一滴、司馬遼太郎
概ね明治は文語体、大正時代が口語文の態様が窺われる。
今は亡き錚々たる作家方の墓碑銘に相応しい一冊。
記憶に薄いが、恐らく連れ合いを亡くして失意のどん底で喘いでいた頃、入手したに違いない。
合掌。完
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