随筆・その他

年 末 年 始 点 描
西区・武岡支部
               脇丸 孝志

 『人生は長生きコンクールではない。年嵩でなく生活の質が問題だと思う。

「1」そう思う。コンクールといった競争意識からは運命への順応や個性の尊厳といった考え方・ユーモア・慈しみ・惻隠・癒し・といった次元の感覚は生れず、勝者の傲慢、老醜が鼻もちならぬ。

「2」長生への勇気ある行動は必要だ。健康・趣味教養・社会参加・管財・環境整理をビジョンにベンチャー「勇気ある行動」を志す。但し信条や成果を誇示すべきではない。

「3」国を滅ぼさない為に基幹産業振興と弱者救済の何れを優先するかの問題と同じで、双方の道徳哲学を底流に均衡させねばならない。おわかりかな。』

 というあるエッセー、眼光紙背に徹し心肝を刺す。閑話休題、先年、喜寿を記念した富士山頂制覇が引き金の脳梗塞罹患を境にスッカリ出不精になった私奴、日々の方便を丁寧に繰り返す惰性の中にドップリ漬かって仕舞った。シンプル、イズ、ザ、ベスト等と自分勝手な屁理屈付けて一人暮らしの年末年始を続けてきた。今年も例年通り。
 18年12月31日、大晦日。お墓『菩提寺光林寺納骨堂』にお供え物紅白の餅とリンゴ、家内外の清掃、自宅仏壇の掃除お供え、郵便物新聞受けの拡張新設手作り、滅多にしない車の掃除、など。何も民族大移動のこの時期に渋滞に巻き込まれながら無理して帰省するに及ばずと常々の厳命どおり、東京、高松組は帰省せず賢明なり。若干寂しくはあるが。ウッソつけ。代わりに昨年久医生になった孫娘の送迎で長男宅年越しの夕べは海鮮鍋など盛り沢山のご馳走、常々、粗衣粗食の翁、眺めるだけで腹一杯の有様。感謝あるのみ。
 19年1月1日、元旦。午前5時、自宅朝風呂、ガス自動。ノンビリユッタリ浸る。極めて気持ちよし。仏前灯明焼香合掌。玄関脇に日の丸小旗を掲げる。朝餉、自己流雑煮、屠蘇なし金箔入り酒をチビリチビリ、頂き物拝借、チョッピリ豪華。ああ正月や、可も不可もなし、オラが春や。新聞雑誌、南と朝日2抱え。随分多い。年賀状拝見分別。来信減少、午後、次男一家高松より、夕方長女一家東京から夫々、新年賀詞聞こえ来る。孫達のはしゃぐ声、何れも自宅アナログ固定受話器から。老翁に携帯電話機不要。健やかだけで良し。夜、恒例、桜丘の長男宅で新年会。常々鰥夫爺の少量胃袋ビックラの態。孫達へお年玉・お返しか、嫁さんから私へ何と「七色褌、赤白青橙黄緑紫山形屋扱い」の贈呈、サンキュウ、ベルマッツン。日替わりメニューで数年来愛用中だが、夏は股間から布切れチラチラはみ出す事ある故、同色のパンツを履く。リフレッシュ気分爽やか、快適なり。
 1月2日。天気、荒れ模様、気にしながらも恒例の新春初ゴルフゴッコ。ガーデン松元コース。長男夫妻と。幸先よく晴れ間から薄日差す絶好のプレー日和、ウルトラシニアの身、100ヤード前後の小刻み打法がピッタシ。さても目出度しめでたし。嫌な事総て忘れて今年も心身健やかをモットーで行こう。初日の出、神社詣で、門松なしの初春、でも上出来。神仏混交は煩わしい。いつの日か、東支那海へ落日を拝みに行くベイ。では、今年の出発、オーライ。



このサイトの文章、画像などを許可なく保存、転載する事を禁止します。
(C)Kagoshima City Medical Association 2009