編集後記

 春になりました。今年は暖冬で過ごしやすかったのですが、地球温暖化による悪影響がいろんな形で現れてきているようです。一説によると、数十年後には南極の氷が解け海面が上昇し国土が沈んでしまうとも言われています。また以前と比べ雪不足、集中豪雨、猛暑、猛烈な台風なども身近に感じる異常な出来事ではないでしょうか。この地球温暖化に対し私たち一人ひとりが出来ることは何か、また国をあげてすべき取り組みは何か、地球人として両方の視点から考えなければならない事と思います。ちなみに私は自転車通勤をしており、なるべく車を使わない生活を目標にしています。皆さんも何かひとつでも身近な目標を立ててみませんか?

 さて、天辰先生の「誌上ギャラリー」はまさしく春。桜と菜の花そして奥に緑の森と青空がきれいに写されております。春の陽気に誘われて「西都原桜・菜の花祭り」に行ってみたいですね。

 「論説と話題」では宇根先生より鹿児島市医師会臨床検査センターを取り巻く諸問題のこれまで、現在、これからについて記されております。サービスと経営の両面から医師会全体として考えていかなければならない問題だと思います。

 「医療トピックス」では寺師先生より副作用予防のために定期的検査を必要とする薬剤がまとめてあります。ついつい漫然と使用していることもあり気をつけたいと思います。

 「学術」では松田先生より性感染症の動向と最新の知見について講演会の内容が記されています。STD制御の基本は、予防対策の重要性と適切な治療であるとのことです。

 「随筆・その他」では朝倉先生のハーヴェー・クッシングの物語が連載されています。開拓期の脳外科医の苦労や苦悩の下に現在の医療があることを痛感します。

 また、朝隈先生、西橋先生、鮫島先生、随筆へのご投稿ありがとうございます。

 「切手が語る医学」では古庄先生よりウガンダ千年紀19世紀後半の世界の出来事の切手が紹介されています。いつも珍しい切手の紹介ありがとうございます。

 「書評」改め「鹿市医図書室」では池田先生より『見えない壁』(河村秀敏著)の紹介をいただきました。著者の河村先生は鹿児島市医師会会員であり、ご自身の経験もふまえた人間の営みへの深い寛容性を髣髴とさせる作品とのこと。是非読んでみたいと思います。

 「各種報告」では平成18年度鹿児島市学校心臓検診報告がありました。鹿児島は学校心臓検診が最高レベルで行われている日本で数少ない地域の一つであるとのことです。これも各部門の労をおしまない連携がなせる業と思います。また、平成18年度鹿児島市医師会小児生活習慣病予防検診報告もありました。メタボリックシンドロームに代表される肥満は現代社会における大きな健康問題であり、小児肥満も避けて通れない社会問題であるとのこと、将来を担う子供たちを健全な方向へと導けるよういろんな形で協力したいと思います。

 また、「鹿市医郷壇」は永徳天真先生を選者におむかえし、再開となりました。「都都逸」も含め、会員の皆様のご応募をお待ちしております。

 そろそろ桜の便りも楽しみになる頃ですが、不意をつかれ急に寒くなることもあります。風邪などには充分お気をつけください。私も医報の編集委員を拝命いたしまして1年が経とうとしています。まだまだ未熟でご迷惑をおかけしますが、皆様に愛される(必要とされる)医報作りに励みたいと思いますのでご指導のほどよろしくお願い致します。

                                          (編集委員 上ノ町 仁



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