鹿 市 医 都 都 逸(11)
紅燈歌曲ものがたり(1)
”どどいつ” について
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今月の、投稿が皆さんお休みとのことで、「どどいつ」について、少しまとめてみました。
「どどいつ」はものの本によりますと、寛政十二年(1800年)頃尾張熱田の花街で当時はやっていた「よしこの節」から転化したものといわれます。
この熱田でうたいだされた「どどいつ」を江戸に広めた人は、茨城県水戸の在の医師の家に生まれた歌川扇歌(1811〜1852)でした。
扇歌は生まれつき美声で医者にならず江戸の落語家船遊亭扇橋の門下になり寄席の高座に立っていたとのことで、「都都一坊扇歌」となのって、天保九年(1838)江戸牛込の寄席でうたったのがその全盛時代とのことです。
さて、ひと昔まえまでは、お座敷で歌われる「どどいつ」は今日の、のど自慢と同じようなものでした。
特にいまは亡き柳屋三亀松がどどいつ漫談を上手にかたり、独特の三味線の音色や、話ぶりで一世を風靡したことは、皆様も良くご存知のことと思います。
まだCDやテープが発売されています。
ではここで拙作を二つ三つ披露させていただきます。
おや、そうかいと、あっさり応えて
胸で妬いている さしむかい
春雨に、やっぱりきたかとよろこびながら
顔はむっつり 天邪鬼(あまのじゃく)
会えば気軽にぬがせた上着
なぜかこんなに 着せにくい
ひとりじゃ生きては 行けないくせに
口ではつよがり 云う女
となり座敷の三味線のネジメが
気になる おぼろ月
(追記)ご投稿を、お待ちしております。
鹿 市 医 都 都 逸 募 集
◎4 号
お 題 「花を詠み込んだ唄」
*昔から花と言えば桜と言われますが、春の
花をモチーフにした句をお詠みください。
締 切 平成19年3月5日
◇選 者 猪鹿倉 武
◇左記、選定基準をもとに選定していただき、入選作品を掲載
いたしますのでご理解の上どしどしご応募ください。
◇選定基準
1、唄が三味線の糸にのる作品になっているか。
2、唄に人情の機微が唄いこまれているか。
3、粋な心情、心意気を表現しているか。
◇応募先 〒892-0846
鹿児島市加治屋町三番十号
鹿児島市医師会『鹿児島市医報』編集係
TEL 099-226-3737
FAX 099-225-6099
E-mail : y-ishigaki@city.kagoshima.med.or.jp
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都 都 逸 募 集
『鹿児島市医報』では、都都逸を募集いたします。
都都逸は江戸後期に流行した「七・七・七・五」の二六音字で唄われる定型詩です。恋情を唄ったものが一般的ですが、社会風刺的な都都逸も数多く生まれています。
俳句や短歌のように季語などの難しい制限がなく、日常の出来事を題材に、粋に面白く、ときに皮肉を込めて、自由に詠える都都逸は、その親しみ易さから時代を越えて多くの愛好者がいます。
初めての方でも左記の「都都逸講座」を読めばバッチリです。皆さん、都都逸に挑戦してみませんか?
ユーモアと機知、風刺に富んだたくさんの作品をお待ちしております。
都都逸講座
都都逸は「七・七・七・五」の二六音字の定型詩ですが、ひとつルールがあります。
それは、「七・七・七・五」の七音のかたまりを更に「三・四」「四・三」「三・四」「五」のリズム(語呂がよくなる)で詠むというものです。
最初の七を「上七」、二番目を「中七」、三番目を「下七」、最後の五を「座五」といい、上七と下七には字余りが認められていますが、その形は四四形に限られます。
また、字余りではありませんが、中七は「四・三」形の他に「二・五」形が認められています。
例えば、『散切り頭を 叩いてみれば 文明開化の 音がする』という歌では、「ざんぎりあたまを」を上七、「たたいてみれば」を中七、「ぶんめいかいかの」を下七、「おとがする」を座五といいます。
どどいつ(都都逸)とは庶民の心の悩み、悲しみ、ネオン界の男女の喜怒哀楽を、また、世の中の不満などを三味線で唄にのせ、小粋に口遊ずさんだものです。

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