このたび、亡き三條風雲児先生の後を受けて、本誌郷壇のお手伝いをさせて頂くことになりましたので、ご挨拶を申し上げます。
渋柿会の会長でした三條先生は、昭和二十五年に弱冠二十二歳で、機関誌「渋柿」を創刊されました。そして、「薩摩狂句」が誕生して百年の歴史の中で、五十年以上、薩摩郷句発展のためにご尽力下さいました。
私は渋柿会の会員として二十五年、三條先生から薩摩郷句について、たくさんのことを学ばさせて頂きました。昨年五月から、渋柿の編集を担当するようになって、これからまだまだご指導を受けなければなりませんでしたが、それも叶わなくなってしまったことが悔まれてなりません。
渋柿の巻頭言では、三條先生がいつも薩摩郷句のあるべき姿や、郷句人としてのあり方を示されていましたが、その中の一つをご紹介申し上げます。
人間を磨くこと
(渋柿昭和六十二年四月号)
われわれは句を詠む前に、一人の人間として、己れを見つめるところから始めるべきではないかと思う。義理人情なんて浪曲の話などと考える人に人間味あふれる句が生まれるはずもなければ、恩知らずに膝を叩かせるような穿ちの句は詠めない。人を馬鹿にすることが諷刺でもなければ笑いでもない。句を詠むことは人間を磨くことである。
お聞きしました本誌郷壇は、創設が昭和五十三年で、歴代選者も古藤雪尾先生、実方天声先生、そして三條風雲児先生と引き継がれてきています。この歴史の重みに圧倒されそうですが、精一杯本誌郷壇のお役に立てればと思っています。
また、本誌郷壇への投句が少ないともお聞きしていますので、薩摩郷句の作句に一人でも多くの方が挑戦していただければと願っています。初心者の方も大歓迎ですので、ぜひ作品をお寄せ下さいますようお願い申し上げます。
薩 摩 郷 句 募 集
◎3 号
題 吟 「 煙草(たばこ) 」
雑 吟 なんでも可
締 切 平成19年2月5日
◎4 号
題 吟 「 声(こえ) 」
雑 吟 なんでも可
締 切 平成19年3月5日
◇選 者 永徳 天真
◇漢字のわからない時は、カナで書いて応募くだされば選者が適宜漢字をあててくださいます。
◇応募先 〒八九二−〇八四六
鹿児島市加治屋町三番十号
鹿児島市医師会『鹿児島市医報』編集係
TEL 〇九九−二二六−三七三七
FAX 〇九九−二二五−六〇九九
E-mail:kasiisoumu-e@po.minc.ne.jp |
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