医師会の先生方、暑中お見舞い申し上げます。
かねてから医師会の先生方には私ども会員が大変お世話になり感謝しているところでございます。また今年も「鹿児島市医報」に寄稿させていただき大変ありがとうございます。
日常の出来事で思いつくままにペンを走らせてみることにしました。
梅雨、真只中の7月初旬の出来事でした。気の合う仲間7名で暑気払いと称してなじみの居酒屋に繰り出した。皆、湿気の多い蒸し蒸しする夜を気合だけで乗り切ろうと大いに飲み、あくる日の仕事に差し支えないようにと加減はしているものの、皆ブレーキが利かない様子。日付けが変わらないうちに散会し何事もなかったように次の日の朝を迎えた。
9時から診療を始めたが、昨夜の友人から電話があり、体調に変わりはないかとの問い合わせ。至極快調と答えると、実は昨夜の7名のうち5名が症状は軽いものの体調を崩しているとの事。そこで昨夜何を食べたかお互いに連絡を取り合い心当たりを調査されたようで、その後又連絡があり、どうもカツオのタタキが原因らしいとの結論が出たと報告があった。何ごともなかったもう1人の友人は、カツオのタタキは嫌いだから当然食べなかった。しかし魚の大好きな君は何故食べなかったのかと執拗に聞かれたので、皆が美味しそうに食べて僕までまわらなかったと答えた。
カツオが一番美味しい季節は秋なのです。「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」とカツオには春というイメージがありますが、春のカツオには脂がのっていないのです。とくにとりたてのカツオは固くて、ゴムを食べているようで味もそっけもないそうです。カツオ節にするならそれでもいいでしょうが、刺身で味わうには向きません。でも、ちょっと焼くと身がゆるんでやわらかくなり、生臭みもとれそれをワサビではなくカラシやしょうがをつけて食べるのが美味しいのです。
春は脂の乗りがいま一で秋が美味しいと私は思っていたので食べなかったのです。もちろん調子を崩した人も治療を受ける程のことはなく、問題にもならないし、問題にもしなかったというたわいもない話でした。
これとてグルメに関してたいしたことのない雑学が役にたったと一人悦にいっております。
ついでにもう一つ、専門家の先生方にくだらないことをとお叱りをうけるかもしれませんが雑学をひけらかさせていただきます。医師会の先生方と今度会ったら怒られる事を覚悟しておきます。
昔から「宵越しのお茶は飲むな」と言われております。これは緑茶に限った事ですが、緑茶にはタンニンが含まれていますが先生方ご承知のようにタンニンには解毒作用や殺菌効果があります。それが一晩おいた出がらしのお茶になると、タンニンがなくなってしまいます。ですから沈殿したタンパク質が腐りやすく、カビも生えやすくなります。とくにタンパク質の多い玉露や上質の煎茶などが要注意です。
また、お茶を入れた後は残った湯を必ず切るというのも理由があります。いつまでもお茶の葉が浸ったままになっているとタンニンが出すぎて、それを飲んで下痢を起こす事があるのです。
雑学をくだらない学問と思っていた私ですが、そのために体調を崩さなかったことで益々興味を持って雑学を学び暑い夏を乗り切ろうと考えているこの頃です。
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