緑陰随筆特集
平成18年度「手話講習会」開催後記
医療従業者のための手話同好会「かたつむり」会長 久永 佳弘
事務局 長嶺整形外科医院 長嶺 隆徳
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平成18年4月医療従事者のための手話講習会開催の案内を致しましたところ、103名の受講申し込みを頂き、皆さんの「手話」や「聴覚障害者」に対する関心の高さと共に、聴覚障害の方が受診された際の応対方法等の情報不足による医療機関側の戸惑い、聴覚障害者側の不満が浮き彫りにされました。
平成18年5月9日〜6月20日まで毎火曜日の夜、回数は7回と決して充分なものではありませんでしたが、それぞれ日常診療の仕事が終わった後、また勤務日程の調整をしながらの参加で疲れているにも拘わらず、一言・一動作たりとも見落とさないようにと、熱心に受講されている様子に頭が下がる思いでした。
また講師としてお越し頂いた、鹿児島市聴覚障害者協会の小林紳也先生、四本陽一先生には、毎回「手話技術」だけではなく、聴覚障害者の抱える様々な問題についても、分かり易くご講演頂きました。
この「手話講習会」7回だけで、『手話が出来るようになった。』『聴覚障害者への対応は万全』とは決して言えませんが、この講習会を受講された御一人御一人が、またそれぞれの医療機関で、健聴者も聴障者も同じように、安心して受診して頂くにはどうすれば良いのか?それを考える機会にして頂ければと思います。そしてこれで終わるのではなく、これから少しずつでも学習を続けて頂きたいと願っています。
最後になりましたが、講習会開催にあたりお世話になりました鹿児島市医師会並びに事務局の皆様と鹿児島市聴覚障害者協会に心より感謝申し上げます。
〜 心 の 会 話 〜
伊敷病院 牧明美・小野さつき・米倉隆子
今回、長嶺先生案内の手話講習会に同僚3人で参加させて頂きました。私以外の二人は、一年間手話の公的講座を終了し、もっと医療関係の手話を知りたくて参加させて頂いたのです。私は全くの初心者で他の二人が昼休みに手話の練習を楽しそうにしているのを見て、あんなふうに出来たらいいなと思い参加させて頂きました。初心者にとっては、何がなんだか全くわからず、一人で手遊びしているような状態でした。先生方に何度もイメージを持ちなさいと言われ、手がつるぐらい指を動かし、後半は何とか手話らしくなってきました。経験者二人は現在も公的手話講座に参加しており、今回は参加した人数の多さにびっくりし、最後まで一生懸命されていた事に感動しました。
今回の手話講座では、実際に聴覚障害の方々が病院に行く事の大変さを話して頂き、手話通訳者の必要性を実感しました。手話講習会開催目的の“手話の技術だけでなく聴覚障害者の抱える様々な問題についても学習し、聴覚に障害を持つ方にも安心して受診して頂ける”事に少しは近づいたのではと思います。講座回数が少なく難しかったですが、大変楽しくでき医療関係の手話を学ぶ機会を設けて下さった方々に感謝しています。今後、もっと聴覚障害者の方々とふれあい、手話の勉強を通し一人の医療従業者として、少しでも心のこもった会話が出来るよう頑張っていきたいと思います。

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